1on1ミーティングの実施によって、
つくりたい2つのことがあります。

それは、

  • 上司部下の信頼関係を構築すること
  • 部下が主体性を発揮すること

の2つです。

この記事ではまず、

1on1がどのように、
上司と部下(メンターとメンティ)の、
相互の信頼関係を生み出していくのかを、
論理的に解説していきます。

上司と部下の信頼関係1

1on1ミーティングによって、
どのように部下の主体性が発揮されるようになるのかは、
別の記事でお伝えしていきます。

この記事を読んでわかること

  • 1on1ミーティングで信頼関係が構築される仕組み
  • 1on1ミーティングでコーチングが鍵を握る理由

こんな方におすすめ

  • 経営者やマネジャー
  • 社内および上司部下の信頼関係をつくりたい方
  • 社員の主体性を発揮させたい方
  • 風通しの良い職場をつくりたい方
  • トップダウンに限界を感じている方

この記事の信頼性

記事執筆者の半谷知也(はんがいともなり)は

  • プロ講師として企業研修を1,000日以上実施
  • 1on1関連の研修は通算200日以上実施
  • パーソナルコーチングを2,000人以上に実施
  • 関わらせていただいた企業・組織は100社以上
  • リーダーシップの研修を15年以上実施

1on1ミーティングをやるとなぜ信頼関係が生まれるのか?

こちら、今日の結論ですが、
1on1ミーティングの組織的な運営によって、
上司部下の対話の「量」が増え、
適切な1on1スキルトレーニングと日々の実践によって、
上司の対話の「質」が上がるから

です。

信頼関係というものは、
接した時間の、
「量×質」
で決まります。

親子であってもこれは例外でなく、
量が少なかったり、
質が悪かったりすれば、
信頼関係を構築することは難しいでしょう。

もちろん、
一緒に過ごす時間は少ないけど、
質の高い関わりをしていれば、
信頼関係は構築されていくと思います。

しかし、
たくさんの量で、
同じ質の時間を過ごしている状況には、
多くの場合かなわないでしょう。

上司と部下の信頼関係1

1on1制度により「量」の確保

1on1では、
まず「量」を確保します。

おすすめは、
少なくとも1ヶ月に1度、
最低30分の時間を確保することとしていますが、
相手の状況、
相手の成長レベル、
2人の関係性、
組織の状態、
など、さまざまな状況によっては、
もっと機会や時間を増やす必要があります。

半ば「強制的」に、
上司と部下が1on1で、
対話をする機会を創り出します。

1on1スキルトレーニングによる「質」の向上

1on1を実施する上で、
上司やメンターのみなさんには、
スキルトレーニングを受けていただきます。

スキルトレーニングにおいて、
重点を置くところは3つあります。

  • 1on1の目的
  • ティーチングとコーチングの使い分け
  • コーチングスキルの習得

上司やメンターの対話の質を上げることによって、
部下やメンティの中に何が起きるかというと、
「自分のことをわかってもらえている」
という実感が強まっていきます。

これが重要です。

「もっと話を聴いてもらいたい」
という感覚が強まるとともに、
さまざまなアイデアや考えが出やすくなってきます。

逆に、
多く見られる状態は、
上司が部下に対して、
「わからせよう」
という意識が強くなり、
指示や命令、
一方的なフィードバック、
自分の考えを押し付ける、
などという関わりが多くなります。

そうすると、
部下の立場では、
「わかってもらえない」って思ったり、
やらされ感が強くなったりします。

コーチングで生み出される信頼関係

コーチングのスキルアップと実践が、
「相手の考えを引き出すこと」
をつくります。

そのうちの、
「質問のスキル」や「傾聴のスキル」などを、
正しく使うことにより、

「自分の話をさせてもらえる」
「自分の話をわかってもらえる」

という相手の感覚をつくり、
上司に対する信頼を底上げする要因となります。

1on1ミーティングのテーマは何でもあり

1on1ミーティングで、
「話してはいけないこと」
はありません。

「話せなければならないこと」
も基本的にはありません。

※ただし、前提として、
1on1を導入する組織の狙いや方向性によっては、
この限りではありません。

人生を生きていく上では、
人はいろいろなシーンで、
不安を感じたり、悩みを持ったりします。

「それを話せる場所がある」というのが、
1on1でつくりたい状態です。

1on1においては、
自分が本当に話したいと望んでいることを話すことができ、
それを上司が親身になって聴いてくれる。

話すことで、ただ気持ちが楽になったり、
何かが前進するきっかけを創れたりするわけです。

1on1での信頼関係は一日にしてならず

とはいえ、
上記のことは一朝一夕で実現するものではありません。

これまでの上司部下の関係性にも当然左右されます。

いい関係を築いていれば、
1on1ミーティングの導入・実施によって、
その関係性はさらに強固なものになっていきます。

しかし、
あまりいい関係といえない場合は、

まず、関係を構築することに時間がかかります。

今までひどい関わりをしてきて、
関係性が壊れている人が、
1on1のスキルアップのトレーニングを受けた瞬間に、
パーフェクトなコミュニケーションを取り始めることはできません。

「朝起きたら抜群に1on1がうまくなってましたー」
とか
「コミュニケーションスキル完璧っす」
ということにはならないわけです。

とりわけ部下は、様子を見ます。
「本当に変わったのか?」
「本当に自分の話を聴いてくれるのか?」

という感じです。

信頼関係の構築には時間もかかる

その場合、上司は根気よく、
新しいコミュニケーションのパターンを実践する必要があります。

どうしても、
今までのやり方やつくってきた状況が、
無意識的に顔を出します。

個人としても、組織的にも、
長い目で効果を創り出していく必要があるということは、
胸に留めておかねばなりません。

今日のまとめ

本日は、
なぜ1on1ミーティングによって、
「上司・部下の信頼関係が構築されるのか」について
解説してきました。

ポイントは、
「質」と「量」の向上です。

特に「質」を上げなければ、
「量」を確保しても、
それは逆効果かもしれません。

まずは、
上司のコミュニケーションの質を上げていきましょう。

1on1で創り出した信頼関係によって、
さらにどのような価値や効果をもたらすかについては、
次回以降のブログでまとめていきます。

本日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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