緊急事態宣言がいよいよ全国的に解除されそう。
4月7日に発令されてこれまでに、
その前後から全国の企業・組織は、
必要な対応を早急に行ってきた。

在宅勤務による業務執行が可能な業態は、
働き方も大きく変わった。

実際にテレワーク・在宅勤務を実施してみて、
可能性をみた企業は少なくないと思う。

したがって、
コロナのビフォー・アフターでは、
やはり働き方はそれなりに変わっていく。

組織づくりで大事なこと〜ミッション・ビジョン・バリューズ〜

組織を効果的・効率的に運営していく上で、
欠かすことができないのは、
組織の枠組みづくりとその浸透。

組織には必ずミッション・使命がある。
会社・組織には、社会から観た使命が必ずある。
「なぜその会社・組織が必要なのか」という定義。

組織の存在理由の明確化。

そして、組織に所属するメンバーは、
自分の組織のミッションを知っている必要があるし、
意識的に取り組んでいくことが、
組織メンバーの「責任」である。

全日空の企業理念

例えば「全日空」の企業理念

安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で
夢にあふれる未来に貢献します

「飛行機で世界をつなぐこと」が、
全日空のミッションであることが読み取れる。

ホンダの社是

わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、
質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。

「質の高い商品を適正な価格で供給するというのが
ホンダのミッション。
ホンダというと、車やバイクのイメージが強いが、
これくらい大きな会社になると、
扱う商品はさまざま。
というわけで、幅広いミッションを掲げている。

日立の企業理念(MISSION)

優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する

日立も同様に、
非常に幅広く商品・サービスを提供している。
会社(グループ)としては、
非常い幅広いミッションを掲げている。

組織ごとに存在するミッション

上記に挙げたのは、
会社全体のミッションだが、
組織というのは細分化されていく。
大きな会社ほど、
その会社の中に存在する組織はたくさんになるし、
その組織ごとに、ミッションが存在する。

例えばホンダであれば、
車を届けるのがミッションである組織もあれば、
バイクや飛行機を届けるのがミッションである組織もある。

また、車を届ける組織の中にも、
開発する組織、製造する組織、販売する組織、それらを管理する組織、
と、ミッションは違う。

もっとも大きなミッションに根ざしながら、
今自分が所属する組織のミッションを理解し、
その中で、自分に与えられている役割を、
全うしていくことが求められる。

ミッション・ビジョン・バリューズ

理念体型というのは、
組織によっていろいろな形が取られる。

ミッションというのは、上記で挙げたように、
この組織がどういう役割や責任を担っているのかという定義。

ビジョンというのは、
その役割を全うしていった結果、
どのような状態をつくるのかという理想の状態。

バリューズというのは、
そのプロセスにおいて、
共通して大事にしたい価値観。心構え。

社是、社訓というのも、
理念体型の一部。

どういう言葉を使うかは、
とくに問題ではない。

組織の形が明確になっていること。

そして、あるだけではなくて、
それが認知され、理解され、実践されていることが、
もちろん大切なこと。

テレワーク時代の組織運営

人が物理的に離れた距離にいるからこそ、
それを心理的につなぐものの役割が、
より重要になっていく。

自分たちは共通して何に取り組んでいるのか。
何のための仲間、チームなのか。

そのつなぎとめるものとして、
絶対的に必要なのが、
組織の理念。

マネジャーは組織の経営者

マネジャーは、
改めてこの理念を明確にした上で、
まずは自分自身を腹落ちさせ、
それをメンバーに伝えていく必要がある。
それも伝わるように。

メンバーは、
目の前の仕事や自分(個人)の役割に一生懸命になっていく。
そのぶん、周りや先のことが見えなくなっていく。

だからこそ、
マネジャーが明確に示していく場面や機会が必要だ。

理念に魂を乗せる工夫

ただの役割だと人はモチベートされない。

人が感化されるようなミッションは、
担う役割や責任に、
魅力的な修飾語をつける。

例えば、全日空のミッション。

安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で
夢にあふれる未来に貢献します

使命はすごく端的に言ってしまえば、
「人を世界の行きたいところへ運ぶこと」

これもミッションとしては成立はする。

でも、力づくかと言えば、
少なくとも私が組織のメンバーであれば、
気にもとめないものになってしまう。

自分の仕事に、
より魅力的な意味をつけるということは、
ミッション作成の重要な要素。

だから全日空で言えば、
「安心と信頼」
「世界をつなぐ心の翼」
「夢にあふれる未来」

こんな言葉が使われている。

少なくとも私は、
こんな風に解釈できる。

私たちは自分たちの仕事を通じて、

・お客様の安心と信頼を創っているんだ。
・「心の翼」=サービスに愛と思いやりを乗せるんだ。
・人の未来を夢にあふれるものにするんだ。

例えばこんな風に、
自分がしている仕事や作業が、
毎日平坦なものであったとしても、
意味のあるものにつながっていると感じることができると、
人は毎日の仕事にやりがいを感じることができる。

マネジャーは、
メンバーのこういう動機をつくっていく責任がある。
だからこそ、
自分の担う組織が、
どのような魅力的な仕事をしている組織なのかを設定し、
メンバーに魅力的に伝える必要がある。

きょうのまとめ

少し回りくどくなったが、本題に戻る。

テレワーク時代だからこそ…

在宅勤務で、
仕事をする距離感はどうしても離れていくことになる。
それゆえに、一緒に仕事をしているという実感や、
自分の仕事が何につながっているのかを、
感じづらくなっていく。

こんなときだからこそ、

改めて組織の理念を明確にして、
それを共有していくところから始めていく必要がある。

そしてそれは、
一回伝えて終わるものではない。
ことあるごとに、確認していくことが重要だ。

テレワーク・在宅勤務であっても、
会議の機会は普通に、
ある意味今まで以上にあると思われる。

決められた議題を話し合っていことはもちろん重要であるが、
ときに、こういったメッセージを伝える場を、
つくってみてはいかがだろうか。

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