人を集めただけでは機能しない組織

組織というのは、個人では達成できない目標やビジョンを達成し、
世の中により大きな価値をもたらしてく可能性を秘めているものだ。

そのためには、1+1が2を上回る状態でなければ、
個人でやっていた方がいいよねという話になる。

しかし、組織というのは思うように機能しない。

組織はさまざまな能力やアイデアを持った個の集まりであり、
個人にはないものを補完してくれる。

一方で、価値観がことなる、考え方が異なるなどの理由で、
うまく融合せず、個が反発や抵抗してばかりいるということも、
世間一般的には少なくない話。

Team Teamwork Goals Strategy Vision Business Support Concept

組織を機能させる4つの条件

組織を機能させるには少なくとも4つの要件が必要不可欠。

1.組織の定義<ミッション・ビジョン・バリューズ>
2.明確な目標と戦略
3.メンバーのリーダーシップ
4.組織のコミュニケーション

今日はひとまず、組織の定義のお話しを…。

1及び2はメンバーが共有し、一致していなければならないものだ。
それがなければ、3と4は確実に機能しない。

1.組織の定義

組織によっては、経営理念と定義しているとこもあれば、
社是、社訓、行動指針などと銘打っているところもあるだろう。

何が正しいという話ではなく、いろいろな言い方があって、
少なくともその組織において共通の言語、認識になっていることが必要となる。

そして、これらは「設定」されているだけではなく、「実践」されている必要がある。

ミッションとは

ミッションは、「使命」であり「役割」や「責任」「存在理由」でもある。

要するに、何をする組織なのかということ。
その組織がなければならない理由。
会社であれば、社会において何を担う組織なのか。
何を価値として生み出していくのかということ。

存在する限り、その価値をつくり続けることが、その会社の使命となる。

ビジョン

ミッションを果たし続けることを通じて、組織の内外に何を作り出すのかという、
「目に見える状態の定義」がビジョンの設定だ。

「Vision」=「Visual」

視覚から入る情報は、人の行動に大きな影響を与える。
「こうなったらいい」と思う状態を描くと、人の気持ちはワクワクするし、
行動は前向きになりスピードも上がる。

逆に「こうなったら困る」という状態をイメージすると、
人はモチベーションが下がり、不安や恐れを抱き、
行動にブレーキがかかりスピードは落ちる。

組織は、所属するメンバーがモチベートされるような、
ワクワクするビジョンを描かなければいけない。

メンバーが「そこに行きたい」と思えたり、
そのことに意味を感じたりすることが重要だ。

また、そこへ向かう一員として、自分の力をあてにされたときに、
メンバーのモチベーションは上がり、行動が自発的になる。

会社であれば、大きなビジョンを描き、
それを人に伝えていくことで、組織のメンバーを巻き込んでいかなければならない。

また、ビジョンは内側のビジョンだけでは機能しない。

例えば、会社のビジョンであれば、
組織自体がどのようになるのか、
組織の雰囲気がどのようになるのか、
社員がどのように働いているのか。

大事なことだが、これでは、社外の人を巻き込むことができない。
社外の人を巻き込めないというのはどういう状態かと言うと、
取引先や協力会社、また自社の製品やサービスがあるのであれば、
それを買ってくれるお客さん。

商品やサービスを買ってもらえなければ、
そもそも会社・組織の存続などありえない。

より広い範囲の人たちとビジョンを共有し、
たくさんの人を巻き込んでいくビジョンの設定が必要だ。

バリューズ

これは組織において大切にする価値観のこと。

前述のとおり、組織はさまざまな価値観の持ち主の集合体。
なので、個性は大事にしながらも、それを統合するための価値観の共有が必要。

「いろんな価値観OKだけど、自分の組織に所属する以上、
この価値観だけはみんなで大事にしようね」

というものだ。

これは、そもそも会社が存在する理由やビジョンとも当然ながら絡んでくる。

例えばディズニーランドを運営するオリエンタルランドは、
「価値観」という言葉ではないが、
4つの言葉をすべての社員やキャストが共有し大事にしている。

「SCSE」

S:Safety(安全)
C:Courtesy(礼儀正しさ)
S:Show(ショー)
E:Efficiency(効率)

全メンバーがこの行動規範(価値観)を念頭に置きながら、
自分の役割をまっとうすることになる。

今日のまとめ

今日は組織を強くする上で重要な土台の3要素、
ミッション、ビジョン、バリューズについてお伝えしました。

定義の仕方はさまざま。
この3つを一つの文章で表現しているものもあれば、
ひとつひとつを定義しているものもある。

何が正しいということではなくて、
これらの要素が設定されていることが大事。

そして、設定だけでは面白くない。

「社是・社訓」として定義はされているものの、
額縁に入れられて、社長室の壁紙としてしか機能していない組織もたくさんある。

設定したら、それを組織っメンバーに「認知」させる必要があり、
知っているだけではなくて「所有・理解」している必要があり、
「所有」しているだけではなく、「実践」している必要がある。

つくっておしまいでははっきり言って意味がない。
これを伝え続け、語り合い、ともに実践していく意識が必要だ。

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