ここまで、フィードバックのやり方についてお伝えしたきて、昨日の記事で一応完結なのだが、今日はフィードバックの最後ということで、「バランス」に触れていきたいと思う。

ポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバック

みなさんは、ビジネスシーンや、まあ、家庭においても、ポジティブなフィードバックを受け取ることが多いだろうか。それともネガティブなフィードバックを受け取ること、あるいは印象が多いだろうか。

ポジティブなフィードバック

ポジティブなフィードバックというのは例えば、

・今日も会社に来てくれてありがとう
・君の存在に本当に助けられているよ
・挨拶が元気で職場が明るくなるよね
・いつも必ず、プランしてから仕事に取り組んでいるよね
・机の整理整頓が行き届いているよね
・会議の議事録が毎回適切だよね
・そもそも、いつも議事録つくってくれてありがとう
・会議で必ず発言しているよね
・君の発言は今の時代に沿っている感じがするね
・絶対に時間守るよね
・いつも、納期を強く意識して仕事しているよね
・納期は必ず守るよね
・集中して仕事に取り組んでいるね。
・報連相のタイミングがすばらしいね
・報告の内容がわかりやすい
・論理的に話をしてくれるから納得できる
・想いを伝えるのが熱いよね
・ホワイトボードを消してくれてありがとう
など

中には、本人が大事にしていること、価値観から、その行動をしていることがある。あるいは誰かから指摘されたり、自分で大事だと気づいて、すごく意識的に取り組んでいたり、頑張っていたりすることがある。
「自分が大事にしていることをわかってくれている」という状況はそのままモチベーションにもなるし、信頼関係にもつながる。

どうだろうか、こういった会話がみなさんの職場には溢れているだろうか。

ネガティブなフィードバック

ネガティブなフィードバックとは

・挨拶がなっとらん
・自分の意見を言えと言っているだろう…
・気が利かないな…
・本当に集中力がないな
・時間を守らない
・同じ失敗を繰り返す
・人の話を聴かない
・反応が遅い
・何を言っているのかわからない
・資料の作り方が雑
・電話のとり方が悪い
・元気がないな
・お客さんに迷惑をかけている
・顧客目線に立っていない
・もう少し当事者意識を持ってくれるかな
・主体性を感じない
・すぐにあきらめる
・姿勢が悪い
など

自分で気づくことや、指摘されて気づくこと、いろいろとあると思う。とりわけ、自分でもわかっていることを、人から言われるのは苦痛そのもの。傷口に塩を塗られるような体験ではないだろうか。
そうなれば、人は力づかない。

フィードバックのバランス

職業柄、いろいろな組織を訪問して、研修やったり、会議の進行やったり、それこそいろいろな業種、職種、階層に関わらせていただいている。

時々、こんな問いかけをしてみる。

「あなたは今、自分の与えられている役割・責任において、何点のビジネスマンやっていますか?」
と。

すると、返ってくる答えは総じて、60〜80点であることが多い。まあ、日本には「謙虚さが美徳である」という前提があるので、みなさん少し低めにつけているのかなとも感じるが…。

平均すると70点くらいということになるわけだ。つまり、70点分はやれていることがあると感じていて、30点分が不足の部分、物足りないと感じている部分ということになる。

では、それに対してフィードバックの割合はどうか。70点と30点だから、
ポジティブ・フィードバック:ネガティブ・フィードバック=7:3

となるだろうか。

多くの場合、これは違う。

事実はどうかわからないが、本人が受け取っている印象からすれば、

良くて1:9。そして、「入社以来ほめられたことなんて一度もないです」なんて言うひともいる。これはもちろん本人の感じ方も影響しているが。ほめられても、ほめられたことを認めなければ、それはポジティブなフィードバックをもらったという認識にはならない。

フィードバックのバランスを欠く理由

ではなぜ、人はネガティブフィードバックをたくさん受け取るのか。この理由はシンプルだ。うまくいっていないことは改善しなければ、トラブルにつながる。お客様からのクレームにつながる。つまり、「悪い未来がやってくる」ということを想像しやすい。そうなると困るから、マイナスの事柄は指摘をする。

ではポジティブなフィードバックはどうか。別に伝えなくても、問題は起きない。今やってくれていることを、そのままやってくれればいい。だからあえてフィードバックしない。する必要がない。

このシンプルな理由により、ポジティブなフィードバックは、する場面はたくさんありながらもスルーされ、ネガティブなフィードバックは、する場面がそんなになかったとしても、すべて口にされ、それを受け取らなければならなくなる。

だからバランスが悪くなる。

ポジティブフィードバックのアンテナを立てる

できることや役割を全うしているというのは、「当たり前」になっていく。当たり前のことを当たり前にやっている。それが「すばらしいこと」とか「感謝の対象」にはなりづらくなっていく。しかし、世の中には当たり前のことなんてない。毎日時間通りに出社していることも、ひとつひとつの決断の積み重ねであり、誠実さと努力の結果だ。

相手はどのようなことをしてくれているのか、何を頑張ってくれているのか、その結果、どんな成果や価値をもたらしてくれているのか。気づくためのアンテナを高く、広くめぐらさなければならない。

素晴らしいことに気づく。これはコーチとして、上司として、あるいは同僚として、部下としても、人間関係を円滑にし、周りを力づけていくための重要な能力となる。

まとめ

ポジティブフィードバックの割合を上げましょう。そしてそうするためにもアンテナを立てましょう。どうしても人は、無意識的にネガティブな言動に意識を向けがちです。でも力づいている組織のメンバーは、ポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバックのバランスがいい。このバランスを整えることで、モチベーション高く、成果をつくる組織を運営していくことが可能となります。

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