今、日本の企業において、1on1やコーチングが注目されており、導入する組織が続々と増えている。なぜ今、コーチングや1on1が必要なのか。どのような効果があるのか。導入の狙いや意義についてお伝えしていこうと思う。

1on1ミーティングとは何か

1on1ミーティングというのは、1対1で実施される「上司」と「部下」や「教育担当」と「新人」などの関係で行われる、「高頻度」で「定期的」かつ、部下にとって良質な内容の対話である。

1on1ミーティングが必要とされる時代背景 〜VUCAワールド〜

現在はVUCAの時代と言われる。

VUCAとは

V: Volatility「揮発性」変わりやすい、気まぐれ、不安定
U:Uncertainty「不確実性」はっきりしない、当てにならない、確信が持てない
C:Complexity「複雑さ」
A:Ambiguity「多義性」あいまいさ

つまり、極めて予測が難しく対応が困難な状況である時代背景を表している。今までの経験や知識を持って対応を考えたとしても、その想定を超える事態が次々と発生する世の中であるということ。

VUCAワールドでは多様性が必要不可欠

VUCAの時代においては、組織に存在するすべてのメンバーのすべてのリソースを余すことなく使っていくことが求められる。
そもそも組織というのは、
「違う価値観」
「違う学習」
「違う見方や考え方」
「違う知識や経験」
「違う成功や失敗」
「違う強みや弱み」
「違う興味・関心・好奇心」
など、「違い」の集まりであるということ。

この違いの多さが「多様性」となり、組織に集まった「リソース(資源)」となる。このすべてを使って、必要なことに対応し、イノベーションも起こしていく。

ボス型マネジメント
決まった1人のボス型リーダーが、自分の知識や経験や直感を元に、自分の頭で考えて、自分の決断で解決策を生み出していく。これは引き続き、組織におけるひとつのリソース。しかし、「それだけで」乗り越えていける時代は終わった、あるいは乗り越えていけることは非常に限られた範囲であるということ。

VUCAにおいて組織で成果をつくるために

必ず統一しなければならないことがある。
それは、「Mission」「Vision」「Values」

Mission

私たちの組織は、より大きな組織や世の中のために、なぜ存在するのかということを理解する必要がある。組織として何を成すのか。そしてその一員であることを自覚することが大事。

Vision

Visionは方向性。組織に所属するすべてのメンバーが共通して目指す場所。それを手にするために、私たちは、自分のリソースを存分に提供するという前提をつくる必要がある。「自分がしたいことをしたいようにしてください」だけでは、その組織におけるリソースの使い方を誤る。「私たちはどこに向かっているのか」を明確に定義し、メンバーひとりひとりのコミットを確認する必要がある。

Values(価値観)

Valuesは価値観だ。前述のとおり、組織というのはさまざまな価値観の持ち主が集結している。もちろん個性を生かしていくために、個々が大事にしている価値観は、引き続き大事にしてもらう。しかし、これも「勝手に」やられては統制が取れない。少なくとも、共通して大事にする「価値観」は定義をしつつ、ぞの価値観を軸にしながら組織を運営していく必要がある。

まとめ

今日は、「1on1ミーティング」が必要となる時代背景を扱った。大切なことは、たくさんの知恵を集めなければ、事態を乗り越えたり、イノベーションを起こしたりはもちろんのこと、そもそも生き残ることさえも難しい世の中になっているということ。

そして、衆知を集める組織づくりの一翼を、1on1ミーティングが担ってくれる。一見無駄に見えてしまうこの対話の時間が、組織にさまざまな効果をもたらしていく。

次回は、1on1ミーティングの目的や効果を扱う。

次回のブログ→
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