今日はフィードバックの方向性についてお伝えする。

フィードバックには2つの方向性がある。

1.ポジティブなフィードバック
2.ネガティブなフィードバック

もちろん、ポジティブとかネガティブとかいう「言葉」は人の捉え方によるものなのでなんともだが、ここではこの言葉を用いて区別をしていくことにする。

ポジティブフィードバック

コーチが観察した事柄について、OKとかうまくいっていると思えることについて、それを伝えていくのが、ポジティブ・フィードバック。
うまくやれたこと、当たり前ではないことに、本人が自分で気づくのは難しい場面がある。コーチが「それでOK」と認知させる、気づかせるプロセス。

そしてこの「ポジティブフィードバック」はコーチングにおいて「承認」と同じ意味となる。

ポジティブフィードバックの効果

気づき

フィードバックの対象者が「これでOKなんだ」と認知する。本人は「うまくいっている」とか「行動したことはOKなんだ」と気づけないことは、実はよくあること。

自信・自己肯定感の向上

フィードバック対象者の自信につながる。自分は「やった」「できた」という認知、気付きが、自信の醸成に繋がっていく。「やった」「できた」ということに気づかない、あるいは認めないと、自信につながらない。

信頼関係の向上

コーチへの信頼度が増す。「ちゃんと自分や自分の行動に関心を向けてくれている」「自分のことを認めてくれている」「ほめられた」という実感が増える。人は「わかってもらえている」という実感が増せば増すほど、相手を信頼することが可能となる。

ポジティブフィードバックのやり方

日常的に、気づいたタイミングで相手に伝えていく。ポジティブ・フィードバックに関しては、いかにタイムリーに伝えるかが重要だ。
つまり、気づくためのアンテナを張っておく必要がある。気づいたら伝える、気づいたら伝える。これを習慣化していく必要がる。

ネガティブ・フィードバック

ネガティブフィードバックは、観察していて「マイナス」の事柄に焦点を当て、それを相手に伝えることだ。本人は気づいているかもしれないし、気づいていないかもしれない。
その上で、相手のパフォーマンスを「改善」するために、コーチから情報を提供していく。

ネガティブ・フィードバックの効果

気づき

これはポジティブフィードバックの効果と同様。自分のあり方や言動、あるいはものの見方や考え方について、「問題がある」「うまくいっていない」と気づかないことは非常に多い。それを立ち止まらせて考えるきっかけを与えることができる。

パフォーマンス改善

本人が気づき、そのフィードバックを認めれば、パフォーマンスの改善につながる。

信頼関係

方向性が合致していて、もともと信頼関係があれば、「気づかせてくれてありがとう」「つたえてくれてありがとう」という感謝につながる。
それがさらに深い信頼関係をつくる。

ネガティブフィードバックの伝え方

これはポジティブ・フィードバックと同様にタイムリーに伝えていく必要がある。機を逃すと、自分のどのパフォーマンスについていわれているのかわからなくなってしまうからだ。
しかし、ポジティブフィードバックと違って、気づいたら伝えればいいものでもない。内容によっては非常にデリケートなものもあるし、そのボリュームにもよる。伝える場面や伝え方については、工夫しなければならない。

ポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバックのバランス

一般的に、会社・組織の中でされるフィードバックは、「ネガティブ・フィードバック」が多いように見受けられる。結構頑張っていても、批判的、否定的なメッセージを投げかけられたり、あるいは自分で自分を責めたり。

「頑張ったこと」「努力したこと」「時分がこなしている役割」「創った成果」「生まれている人間関係」など、実は日常的に「認められること」というのはたくさん転がっている。それを発見して捕まえていくこと。これを是非やってほしい。
ポジティブ・フィードバックは、わざわざ伝えなくても関係性は壊れないが、わざわざ伝えることで効果が期待されることが結構ある。

照れくささを超える

今までポジティブなフィードバックをしてこなかった人は、伝えることが恥ずかしい、照れくさい。奥さんに「愛してる」なんて、結婚してから一度も言っていない人は、伝えることがものすごい抵抗になる。のと同じように、職場の中の人にも同じ反応が起きる。しかしこの恥ずかしさを超えていくことで、創れるものがたくさんある。是非越えてほしいものだ。

ハードルを下げる

基準が高すぎると、「そんなのできて当たり前」「他のひとはもっとやってる」などと、認めることをしない。少しハードルを下げて、承認や感謝をしていくと、ポジティブフィードバックはうまくいく。

まとめ

今日は、フィードバックに方向性があるということをお伝えした。ポジティブなフィードバックについては、「照れくささ」と「基準の高さ」というハードルがある。これはちょっとした考え方の変更と、「気合い」で変えることができる。

ネガティブ・フィードバックについて、「気合い」でやると、取り返しのつかないことになる可能性がある。というわけで次回は、このネガティブフィードバックの適切なやり方について提案していくこととする。

次回ブログ

部下のモチベーションを維持しパフォーマンスを上げるフィードバック⑥フィードバックのやり方

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