会議は必ずまとめの時間をつくらなければならない。会議に句点(○)をつける。あるいはピリオドを打つ。会議は整理整頓して終わることで、参加メンバーの共通認識が生まれ、決定事項の実行の確度やメンバーの納得感が上がる。
時間は最後の10分程度。この時間は予め確保しておくと良い。
会議のまとめのポイントは3つ。
1.会議全体の振り返り(決定事項と保留事項の確認)
2.事務的な確認
3.チェックアウト
会議全体の振り返り
会議全体を振り返る。その際には、以下のことを行う。
実施議題の確認
アジェンダを参考にしながら、予定されていた議題のうち、なにを扱ったのかを確認する。やったことは何で、やらなかったことは何で、中途半端になっていることは何か。
議論の中でメンバーは頭を突っ込んでいるので、終盤になれば、冒頭に扱ったことを忘れていたりもする。おさらいすることで、扱った内容をリマインドする。
決定事項の確認
何を決めたのかを確認する。
When:期限や期間→「いつ」「いつから」「いつまでに」「いつの間に」など
Who:責任者・実行者・担当、対象→「誰が」「誰に対して」
What:内容→「何をするのか」
決定事項のフォロー
決定事項が確実に実行されるよう、フォローの役割ややり方を決めておくといい。特に、次回の会議が1ヶ月以上空くような会議は、必要不可欠である。
例えば、1週間毎に誰かがリマインドや状況確認のメッセージを送るとか、決定事項の実行状況が確実にわかるようなツールを使うなど、参加者全員が実行に意識を向けられるような仕組みをつくることで、実行の確率を高める。
決めなかった確認
何も決まらなかったら、そのことも確認するといい。「今日は何も決めませんでした」とすることで、「何も決めなかった」ということを自覚させる。
会議に関する研修をやり、会議の問題点を挙げてもらうと、「何も決まらない」という問題点が必ず挙がる。それくらい「決めない」ことに慣れているし、それが当たり前になっている。あるいは、決めることへの恐れを多くの人が持っている。
決めることへの恐れ
・決めると「やらなければならない」ことが増えるため面倒くさい
・失敗したらどうしようという不安
・変化(現状が変わること)への恐れ。
保留事項の確認
今回の議論の中で、保留事項としたこと、決まらずに先送りとしたことは何か。また、時間切れなどで、議論が中途半端になったことは何か。今後の対応も含めて確認を行う。
今後の対応としては、
・次回以降に持ち越し→いつやるのかを確認。
・終了→もう扱わない。あるいはしばらくこの状況で様子を見る。
という2つの可能性がある。
事務的な確認
事務的な確認事項としては、以下のとおり。
次回スケジュール
次の会議はいつやるのか。
次回会議の役割
特に、ファシリテーターは誰がやるのかを確認する。担当となった人は、次回に向けての準備を行う。
チェックアウト
「枠組みづくり」でチェックインをしているので、一対でチェックアウトの時間を設けるといい。全員が会議の所感について一言ずつ述べる。
まとめ
以上、まとめをやることで、会議本編で散らばったメンバーの意識が集結され、実行に向けて一体感を強めることが可能。会議は流れ解散的になることが結構ある。何が決まったのかもよくわからずに解散して、結局次回集まった時に、「前って何話したっけ?」とか「何決めたっけ?」というような話になることもある。
会議はそれ自体が目的ではなく、その後、メンバーやその周りの言動がどのように変化し、組織にとって望ましい変化や成果が生まれていくことが重要な目的だ。
結びをしっかりすることで、メンバーの決意を生み出し、組織の「成果」を動かしていきましょう。
関連記事
生産性を劇的に上げる会議のファシリテーション〜会議の流れ編〜
生産性を劇的に上げる会議のファシリテーション〜ファシリテーターのあり方編〜
生産性を劇的に上げる会議のファシリテーション〜スキル編①コミュニケーション〜
生産性を劇的に上げる会議のファシリテーション〜スキル編②マネジメント〜
生産性を劇的に上げる会議のファシリテーション〜プロセス編①会議の準備〜
生産性を劇的に上げる会議のファシリテーション〜プロセス編②会議の枠組みづくり〜
生産性を劇的に上げる会議のファシリテーション〜プロセス編③会議本編〜
生産性を劇的に上げる会議のファシリテーション〜プロセス編④会議のまとめ〜