会議の終わりは始まり

前回のブログでも述べたとおり、会議は会議のためにやるのではなく、会議は組織的な成果を上げるためにやるもの。したがって、会議が終わった時間はゴールではない。どちらかと言えば、新たなスタートラインを創ったということ。
ここからゴールに向けて、あるいは次の中継地点に向けて、日常的に走り始めなければならない。

会議後のフォローに関する重要なポイントは、
1.決定事項の共有
2.日常的なフォロー

の2点。

決定事項の共有

まず、会議において決まったことを共有すること。

会議の終わりで共有

こちらは、前回のブログで綴ったとおり、重複するので詳細は前回のブログを参照いただきたいが、会議の終わりの時点で、何を決めたのかを共有・確認する必要があるということ。会議に限らず、日常的なコミュニケーションにおいては、言った、言わないでトラブルになるケースが少なからずある。

会議に参加した全員が何に同意し、何を引き受けたのかを明らかにする必要がある。

議事録の作成と共有

議事録は必ず共有する。ポイントは、
1.議事録(仮)の送付
2.過不足や齟齬がないかの確認→修正
3.議事録(確定版)の送付

議事録の送付

できれば即日、おそくとも翌日(または翌営業日)送付する。人の脳みそは、新しい情報を入れるごとに、古い情報を忘れていく。ゆっくり議事録を送られても、「覚えていない」ということが起こる。参加者の記憶が新しいうちに、議事録を送付する必要がある。
そのため、会議における書記は、清書などが不要な形で、会議の最中に議事録を7割方のつもりで仕上げる。書記が全部キレイに書き上げるというより、最終的には全員でキレイなものを仕上げるイメージでよい。どうせ全員が確認しなければならないものだし、発言内容に齟齬があった場合、修正しないと発言者本人を含め会議の参加者全員が困ることになる。

過不足や齟齬がないうかの確認→修正

メンバーに議事録を読んでもらい、過不足や齟齬がないかの確認をしてもらう。この過程で議事録を100%に仕上げる。書記は自分の頭と手で議事録を書いている。当然ながら、書記の解釈や言葉の定義などに内容は左右されるため、会議が終わった時点で完璧にはならない。会議参加者メンバーの力を集結させて、議事録を確認→修正していく。

これも「忘れてしまう」という前提の元、期限はゆったり取れない。決まりはないが、3日以内に返信をもらうようにしておくといい。ただし、会議の頻度や大きさにもよる。毎週実施するような会議であれば、このタイミングだと遅い。即日仮議事録を発信し、確認してもらい、翌日までには確定版を送付するようにしたい。
そして、必ず全てのメンバーから返信をもらうというのもポイント。「修正がなかった」という事実確認は、「合意した」というサインという意味で非常に重要だ。

確定版議事録の送付

修正期限を迎えたら、即時、各定番議事録を送付する。メンバーへの送付は当然ながら行うとして、関係各位、必要と思われる送付先には全て送付する。

日常的なフォロー

議事録が発信されれば、後は決定事項を担当のメンバーがやるのみ。なのだが、やはり人は忘れる。したがって、確実に実行されるような仕組みをつくる必要がある。

チェック・フォロー体制の構築

リマインドメールの送付

誰かが、定期的にリマインドメール(メッセージ)を発信する。簡単なメールでいい。
議事録を添付して、「状況どうですか?」で構わない。

ただし、要注意人物がいる場合は少し工夫が必要となる。要注意人物とは、実行度が低いとか、メール見ないというような人。個別のフォローが必要となるかもしれない。

パートナー制度

リマインドメールの送付は、誰かひとりに負担が掛かる。パートナー制度というのは、メンバーの内部でパートナーを決め、決定事項の完遂を連帯責任にするというもの。

日常的にお互いに力づけ、フォローしあっていく。

ツールの活用

社内SNSやToDoリストの活用などによって、タスクの遂行を効率的に行う。
・サイボウズ
・チャットワーク
・Slack
・Googleドライブ
・LINEWORKS

など、便利なツールがたくさん出ている。タスク管理ができるもの。コミュニケーションに特化しているもの。ファイルの共有ができるもの。機能はツールによって様々であるため、組織に合ったものを選択すればいい。

まとめ

会議で決めたことは、日常の忙しさ、目の前のタスク、突然やってくる権威者(と見える者)からの割り込み仕事などによって、いつの間にか忘れ去られてしまったり、先延ばし、後回しになってしまったりする。

会議は多大なコストを掛けてやっているという認識を改めて胸に刻み、その掛けたコストにふさわしい、あるいはそれを遥かに上回る成果や価値を創り出すことが、会議に参加した全員にとっての使命だ。フォローを適切に行い、確実に組織とその成果を動かしてほしい。

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