会議というと当然ながら、必要なメンバーが集まって、共有したり議論したりする時間があるわけだが、これはフェーズの2番目。ここに多くの焦点が当たるわけだが、会議は3つの区切って考える必要がある。

会議に重要な3つのプロセス

ファシリテーターが考えなければならないのは、3つのプロセス。
1.準備
2.会議当日
3.フォロー

この中で最重要なのは、「1.準備」だ。会議の生産性は準備で決まる。これは間違いない。

会議の準備

会議の生産性を高めるためには、会議の準備が必要不可欠。
当日までの準備。会議に参加する人数や時間、会議の内容にもよるが、私は遅くとも3営業日前には、アジェンダをメンバーに出す。会議を実施するには、環境的なセットアップも大事だが、何より、メンバーの頭の準備運動が大切となる。
会議当日、会議室に現れて、「で、何だっけ?」から始まり、状況を把握するだけで30分を要するなんていうことがあれば、すでに最悪だ。
集まったらすぐに、頭をフル回転してもらうために、ファシリテーターは必要な準備をしていく。

わかっちゃいるけどやらない

会議の準備をしたらいいのはわかっている。でもやらない。多くの理由は「忙しい」または「面倒くさい」

準備って何をするのかと言えば、
「アジェンダを作って送る」
だけなのだが…。まあなんせ面倒くさい。というか、「面倒くさい感じがする」。だから自分の潜在意識(無意識)が避ける。先延ばしにする。

実際に、アジェンダをつくるだけなら、慣れていれば15分程度で終わる。15分という時間は1日の1%。これくらいの時間は、かけましょうよ。という感じ。

アジェンダを作る実際は…

しかしアジェンダをつくるためには、前回の資料を引っ張り出したり、前回からの流れを把握する必要もあったりする。というわけで、ここにも「面倒くさい」の意識が働いてしまう要因がある。
例えば実際には、最近実施した1時間の会議のために、90分準備の時間を要した。会議には10人がオンラインで、おそらく時給1万円クラスの人も参加する会議。私の90分を準備の時間として投資することで、60分×10人=600分の時間をフル活用することができる。準備が悪ければ、半分(あるいはそれ以下)の価値になることもあれば、倍増することも可能だ。
というわけで、手間は掛かるが、そのぶん、結果に現れる。

会議のコスト

会議にはたくさんのコストが掛かっている。これはファシリテーターはもちろん、会議に参加する全ての人が知っていなければならない。
例えば、60分の会議。人件費が平均で時給3,000円と仮定して、8人が集まったとしたら、それだけで組織的には24,000円のコスト。さらに会議室を使うのもただではない。そこにある備品も、電気代も掛かっている。組織は必要な投資(コスト)をして、利益(価値)を生み出す。その会議にふさわしい価値を創り出す意識が必要だ。

※ちなみに時給3,000円というのは、組織の階層としては高くない人の設定だ。

会議当日

もっとも注目が集まる会議。準備が十分であれば、あとはやるだけ。しかし、会議当日も、この中を3つに分解するといい。詳細は別のブログにて書くことにするが、今日は簡単に触れておく。

1.枠組みづくり

今日の会議のアジェンダを確認。目的や議題、優先順位、会議のルールなどを確認することで、参加メンバーの意識を合わせる。

2.会議内容

議題に従って、情報共有や議論を進める

3.まとめ

会議の決定事項や保留事項を確認し、実行にうつしていく。

フォロー

会議後はフォローがあるといい。会議の目的は、その組織で成果をつくることだ。日常で組織がどのように動いているのか。メンバーがどのように動いているのか。

会議の決定事項については、参加者すべてが責任者だ。全員の責任で決定事項が遂行されていく必要がある。
確実に動きをつくっていくために、会議が終わって、「お疲れ様でした」ではなく、その後に意識を向けていくことが重要。会議のための会議をやってはいけない。成果をつくるための会議であるから、会議のあとのプロセスも、メンバー全員が大切にしていく必要がある。

ゆえに、会議の中でフォローの仕方を工夫するといい。決定されたことがどのように実行されているのかのチェックを仕組みを決める。「監視」ではなく「推進のための相互応援」。こんなふうに捉えると、組織はよりうまくいきそうな感じがする。

まとめ

会議は、それが設定されているから集まって、そこでなんとなく始まって、時間が来たからなんとなく終わっていく。こんな会議が多い。しかし、前後のプロセスも含めて重要であることを理解し、「機能する会議」をすることが重要だ。会議はどうしても必要である。しかし、会議のために組織は存在しない。できるだけ少ない時間で、最大の成果を出すためには、この3つのプロセスをすべて有効に活用することが重要となる。

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