目次
理念3要素の最後は、「価値観」。
組織はいろいろな価値観の集まり
これは当たり前の話だけれど、組織というのは個の集合体。いろんな個性の集まり。そして、価値観もいろいろ。もちろん、その組織に何らかの魅力や共通項を感じて集まってきていることは間違いないので、一致する価値観もある。でもいろいろ。
価値観とは何か
広辞苑より
何に価値を認めるかという考え方。善悪・好悪などの価値を判断する時、その根拠をなす物事の見方。
「広辞苑第六版」(岩波書店),2008年1月
どのようなことを大事と感じ、何を基準にするか。この価値観によって、人はさまざまな言動を決めている。明らかに意識的に「大事」と自分に信じ込ませているものもあれば、自分の心と身体に染み付いていて無意識的に「大事」と思っている事柄もある。
私の会社の価値観
では理念における価値観とはどのようなものか。
参考までに、私の会社で定義している価値観を掲載する。
Performance(成果と行動)
Integrity(一貫性)
Enrollment(人を巻き込む)
Commitment(絶対やる)
Entertainment(楽しむ)
Simple(シンプルに考える・創る)
これは、会社に所属する者が意識すること、生きることとして設定していると同時に、このような価値を外側にも創り出していくという決意の現れでもある。
価値観を共有することの効果
前述のとおり、価値観は人それぞれさまざま。多様性を重要視する今の世の中においては、それぞれが持っている価値観はもちろん尊重されるべきものだ。そのそれぞれの価値観は、組織に恩恵をもたらす。
しかし、「全員が勝手に、好きなようにやってください」ということでは、やはり組織はバラバラになる。
例えば野球のチーム。「野球やりたい」という中では、いろいろな価値観がある。「勝つ」ことに価値を置く人もいれば、「楽しむ」ことに価値を置く人もいる。とにかく「健康だ」という人もいる。全部違うがどれも正しい。
しかし、これが同じチームであった場合に何が起きるか。「勝ちたい」と願う人と「楽しみたい」と願う人の練習のやり方は異なる。そして、価値観が統一されていない中では、必ず対立や葛藤が起きる。
価値観を統一することで、このチームに参加するかどうかを選べる。「勝つ」チームであれば、「ハードワークするよ」ということが前提となるし、「楽しむ」ということであれば、「和気あいあいやるからね」ということが前提となる。
そうしていないメンバーは、そのチームに参加することが難しくなる。
価値観は2つの基準
自分がこのチームに参加するかどうかの基準。
このチームでどのような言動をすべきかの基準。
まとめ
組織の価値観は最低限共有する大事なこと。組織はいろいろな価値観の集まりである。だから、やりたい放題やると、バラバラになっていく。いろいろな価値観を持っていていいけれど、この組織にいる以上、この価値観は全員で大事にしていきましょうということを明確にしていくのが、組織の価値観の設定である。
組織で大事にすべき価値観を明らかにし、組織を束ねましょう。