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「主体性をもっと持ってほしい」
「当事者意識が足りなくて…」
こんな声をよく耳にする。
「主体性」や「当事者意識」は、本人の意識の話ももちろんあるが、組織の仕組みの課題や、組織の立場的なリーダーの課題も大きい。
主体性を向上させる要素
目的意識
ひとつは目的。主体性というのは、「今やっていることは自分ごとである」という認識を明確に持って、必要なことを自ら起こしていくこと。そして、「自分ごと」にしていくためには、本人が「意味づけ」している必要がある。「自分にとって大事なことである」という認識のことだ。
もともとやることに意味などないので、それを意味づけできるようなサポートが必要かもしれない。本人が勝手に意味づけすることもある。もともとやりたいと思っている仕事なのであれば、意味づけはすでにされており、必要はない。
発言の場があり、それが安全である
近頃、「心理的安全性」というワードを、本の帯などでよく目にする。端的に言えば、「私はOKなんだ」「私はこの組織に受け入れられている」「私はここにいていいんだ」という心理状態のことであり、本人の実感である。
そして、心理的安全性を高めていくためには、2つの要素が絶対的に必要。
ひとつは、「発言している」ということであり、
もうひとつは、「その発言が受け取られ、理解されている」ということ。
言いたいことが言えずに、受け身状態、指示待ち状態、トップダウンで押し付けられる状態、自分が否定されたり拒絶されたりする状態であると、当たり前だが、どうしても主体性は薄れていく。
権限を与えられる
自分の役割があるということ。そして、それが自分の能力に見合った、あるいは自分の能力よりも少し大きい範囲の責任であることが望ましい。また、これが1番目の意味付けともつながってくるわけだが、その役割が本人にとって意味のあるものである必要がある。
簡単すぎる仕事や、難しすぎる仕事は、モチベーションが掛からない。
チームコーチングが主体性を向上する理由
チームコーチングは公平な対話引き起こす
いつもの会議で対話をしていると、日頃の関係性で発言する人としない人がいたり、場面に応じて発言しやすかったりしづらかったりということがある。
これは組織に生まれているいつものパターンで、自分たちで打ち破ることは難しい。チームコーチが入ることで、この場を適切な対話が生まれるようにコントロールしていく。対話の内容をコントロールするわけではない。あくまでも「場」をつくることに徹していく。
チームコーチングは目的意識をつくる
発言しやすい場所のなかで、チームコーチングでは、前回のブログでお伝えしたように、強いチームに必要な 6つの要素を明確にする。チーム・組織運営の土台だ。自分たちはなんのためにチームを創っているのか。どこに向かっていくのか/行きたいのか。目標は何か。戦略は?
というこのプロセスを全部自分たちで考え、その意見が議論を元に反映されていく。すべてのメンバーの思いがすべて反映されることはないが、少なくとも議論のプロセスで自分の考えや思いを伝えている、かつ理解されていくので、全てが思い通りにならなかったとしても、納得度が変わってくる。
チームコーチングは決定する
チームコーチングは当然だが「コーチング」なので、対話の最後は「具体的なプラン」である。組織目標に向けて、それぞれがどのような動きや成果をつくるのか。決定して終了となる。
その決定事項について、日常的にはお互いにどのように関わり、サポートするのかということも決めていく。また、次回のコーチングで、その動きを振り返る。
今日のまとめ
自分たちで考えて、自分たちで決めて、自分たちで行動して、自分たちで結果つくって、自分たちでその結果を振り返っていく。全プロセスに責任をとれる仕組み。それがチームコーチングだ。
主体性を阻害するのは「やらされ感」あるいは、決定のプロセスに参画できないという「疎外感」である。
チームコーチングは主体性が生まれていく全プロセスに関わることで、「主体性」を生んでいくことができる。