コーチングの質問のスキル

質問をどのようにやるのかは、以前のブログに詳しく書いたので、そちらをごらんいただきたい。

ビジネスコーチング 〜社員が主体性をもち成果をつくる支援の方法〜

目的をどう訊くか?

例1:ダイレクトに目的を訊く

「仕事って何のためにやってるの?」
ーカネのためっす
「なるほどね〜。カネのためなんだ。カネ稼いで何したいの?」
ーとりあえずあって困んないじゃないですか
「そうだよね。何買った時がうれしかったりモチベーション上がったりした?」
ーやっぱり車買ったときですかねー」
「おー、なんで?」
ーずっと自分の車買うの夢だったんで…」
「そうなんだ。いつごろから夢だったの?」
ー子どもの頃から」
「なんで車だったんだろ?」
ー憧れている人がいて…、その人が乗ってる車がかっこよかったんすよ。
「その人のどんなところに憧れてたの?」
ー仕事できるし、いつもおしゃれでかっこいいんですよね
「仕事できるってどんな感じ?」
ーあー、何ていうんだろ、言葉にするの難しいっす。
「なるほどなるほど…」
「仕事する目的『カネ』って言っていたけど、他にあるとしたらどんなことがありそう?」
ー…。難しいなぁ、考えたことない…。

「じゃあ、また訊くから考えておいて」

ポイント

話しを膨らませていると、仕事とは関係ない話に見えるが、ところどころに本人の価値観や信念が言葉に現れてくることがある。こういう大事なところをキャッチして相手の理解を深めていくことが非常に重要。

そして、一度考え始めると、脳みそは勝手に回ってくれるので、必要な情報をキャッチしにいくことがある。

例2:過去のやる気体験を訊く

「今までの人生で、どんなときにやる気になった?」
ーいろいろありますよ。
「例えば?」
ー学生時代スキーやってたんですけど、スキーはかなりやる気でしたね。
「何がそんなにやる気にさせたの?」
ーまあ、もともと身体動かすの好きだったんですよ。でもって爽快でしたね。あと、仲間も結構いたので、そいつらがうまくなっていくと「負けられない」って思ってました。そう言えば。
あと単純に、飲み会が楽しかったですね。仲間たちとどうでもいい話をいつまでもしてるのが楽しかった。たくさん笑ってました。
「そうなんだね。いろいろあるって言っていたけど、他には?」

と訊いていく。

ポイント

どのような要素でやる気が出るのか。過去のことを訊いていくことで、要素を知ることができる。その要素を、現在の事柄に見出すことができれば、今の状況でもやる気を作り出せるかもしれない。

質問するときの4つの前提

基本的に「訊く」ことが重要なのだが、質問する際に前提として知っていなければならないことがある。

信頼関係がなければ答えは出てこない

「この人の質問には誠実に答えよう」って思われる存在でなければ、真実の答えは返ってこない。あるいはそもそも考えない。

考えたことないことに答えを出すのは難しい

そのことの回路がない状態。あるいは筋肉が動かない状態。身体が日頃使わない筋肉が思うように動かないのと同じように、頭も、日頃回していない部分は回らない。

少しずつ鍛えていく意識が必要。

質問に答えを出すには時間がかかる

質問は細分化すると以下のプロセスを踏む。

1.何を訊かれているのかを理解する
2.質問の答えを自分の頭の中に探しに行く
3.見つかった答えについて、伝わるように伝える準備をする

質問に答えるのはストレスである

私たちは子どもの頃から、「正しい答えを言わなければならない」「正解を言わなければ叱られる」という場面を経験してきている。そのため、子どもの頃に身に着けたそのような考えが、今も私たちの頭と身体を支配する。

そして、前述のように、質問に答えるプロセスは筋トレのようなものだ。筋トレ好きでしょうか?私は嫌いです。なぜあんなにきついことをしなければならないのかと思う。でも必要な筋肉を身に着けていくためには、超えなければならない苦痛でもある。

「考える」というのは、実は同じような苦痛を味わう。そして苦痛が伴うことを本能的に知っている。だから、ストレスだ。

ただでさえストレスなのに、訊き手の圧力を感じたとしたら、そのストレスは倍増だろう。質問したら、仏のようにそばにいればよいのだ。

今日のまとめ

というわけで、本日はこんな感じで、具体的にどのように訊くのかのいくつかのヒントを書いてみた。もちろんこれがすべてではない。質問は奥が深すぎる。相手の状況に当然ながら常にアドリブで対応し続けていくことが求められる。

だからこそ、相手に興味を持ちながら、自分の質問のスキルを高めていく…。あ、スキルを高める前に、どんな質問の仕方があるのかを知る必要があるが…。知った上で使っていくことで、スキルは高まる。

相手が思考を鍛えていくのだから、こちらは質問のやり方を鍛えねば…。常に共に成長だ。