目次
こんな方におすすめ
- コーチングや1on1をビジネスシーンで使いこなしたい
- コーチングや1on1をやっているがなかなかうまくいかない
- コーチングや1on1を導入したいと思っている
- 相手の考えをうまく引き出すことができない
この記事でわかること
- 掘り下げる質問と拡げる質問とは何か
- 掘り下げる質問と拡げる質問の重要性
- 掘り下げる質問と拡げる質問の使い方
記事の信頼性
この記事の筆者は、
- PHP研究所認定ビジネスコーチ(上級)
- ビジネスコーチングは1000人以上に実施
- コーチング研修の実施歴8年で200本以上実施
掘り下げる質問と拡げる質問の必要性
なぜこの2つの質問が大切なのか。
理由は大きく2つあります。
- 相手の考えやアイデアをより明確にすることができる
- 誤解を最小限にする
相手の考えを明確にする
人の考えは、
思っている以上に曖昧です。
「今日はどんな一日にしたい?」
って訊いたとして、
「楽しい一日にしたいです」
って答えたとする。
「楽しい一日」
ってかなりふんわりしている。
「現状いかが?」
って訊いたとして、
「いい感じです」
って答える。
「いい感じって…」
人が物事を考える時、
わりと曖昧な状態で考えている事が多い。
物事を曖昧にしていると、
すぐに行動に移しづらかったり、
大事なことが見えていなかったりする。
それを具体的にしていくことや、
拡げていくことで、
可能性が広がり、
モチベーションが上がる。
誤解を最小限にする
言葉の意味/解釈は、
人によって違います。
人は話を聴いているとき、
自分の勝手な解釈をしていくもの。
人は話したいように話すし、
聴きたいように聴く。
ここに「誤解」が生じる。
安易に、
「わかったフリ」をせず、
「わかったつもり」にならないよう、
しっかりと確認していく必要がある。
限界はあるが、
できるだけお互いの「解釈」を合わせていく。
掘り下げる質問と拡げる質問とは
掘り下げる質問
掘り下げるというのは、
さらに具体的にすること。
- 具体的にする
- 詳細化する
- 意味を確認する
- 原因を深堀りする
など
拡げる質問
拡げる質問は、
そのままだが、拡張するということ。
- 他の選択肢やアイデアを引き出す
- 他の状況を確認する
ための質問
掘り下げる質問のやり方
基本的には、
「それってどういうこと?」
が基本的な質問のやり方となる。
掘り下げる質問例①
コーチ「今年の目標は?」
相手「英語力を向上しようと思います」
コーチ「具体的には?」
(英語力の向上ってどういうこと?)
相手「TOEICの点数を伸ばします」
コーチ「何点取れたらOK?」
(点数伸ばすってどういうこと?)
相手「そうですね…、720点を目指します」
掘り下げる質問例②
コーチ「現状はどうですか?」
相手「あまりうまくいっていないです」
コーチ「どのへんがうまくいっていないですか?」
相手「お客様と思うように会えなくて…」
コーチ「思うように会えないというのはどんな状態ですか?」
相手「他のタスクに時間が取られて、なかなか外に出られないんです」
…
拡げる質問のやり方
拡げる質問のやりかたは、
非常にシンプル。
「他には?」
これだけ知っていればOK。
応用が効くということですね。
拡げる質問例いろいろ
「他にはどんな状況がある?」
「他にはどんな要因がある?」
「他にはどんなアイデアがある?」
「他にはどんな目標がある?」
「他にうまくいっていることは?」
「他にうまくいっていないことは?」
「他にはどんな強みがありますか?」
「他に協力してくれそうな人は?」
「他に使える時間は?」
など
状況を広く把握する。
アイデアをいろいろと引き出す。
便利な質問です。
コーチングで大活躍の質問
掘り下げる質問と拡げる質問。
細かい質問の仕方はいろいろあるけれど、
私がコーチングするときは、
8割以上がこの質問なのではないかなと思う。
この質問をしっかり使うことで、
相手にとっての真実を、
引き出していくことが可能となる。
掘り下げる/拡げる質問の注意点と対策
懸念①相手が困るのでは???
掘り下げるにしても、
拡げるにしても、
「しつこくなってしまうのではないか?」
という懸念がある。
「他には?」
「他には?」
とか
「それってどういうこと?」
「それってどういうこと?」
って訊いていると、
相手は困ってしまうのでは?ということ。
ポイントは2つ
- 否定的な質問が続くときつい
- 目的が曖昧だときつい
否定的な質問の連続
できなかったことや、
不足点について考えているときに、
これがずっと続くのは、
なんだか責められている感じになっていく。
こちらはほどほどにということでもあるし、
逆に、
「うまくいっていること」
や
「相手の長所」
など、
ポジティブに考えられることも、
公平に扱っていくことが重要。
目的が曖昧
何のために質問されているのかが曖昧だと、
「なぜこんなことに答えなければならないのか」
という感情にもなってしまうかもしれない。
この質問に答えることが、
「自分の望む成果につながる」
とか
「自分の成長につながる」
と思えたり、
「コーチは自分のことを思って質問してくれている」
という状況になったりすれば、
質問を重ねられても、
ネガティブな感情は薄れる。
相手が不安やストレスを感じていることを察したら、
改めてこの質問を繰り返す目的を伝えたり、
相手に考えてもらったりするといい。
懸念②どのくらい訊いたらいいの?
この質問、特に拡げる質問は、
いくらでも広げられるし、深められる。
(まあ、深めるには限界があるけど…)
重要なことは、
- そのコーチングの意図・目的
- コーチングの設定時間
によって、
どう舵取りするかを考える必要がある。
時間がたっぷりあるのなら、
じっくり深めたり広げたりすればいい。
逆に、
コーチングを終わらせることが目的ではないので、
ちゃんと引き出せていないのに、
無理やり終えてしまうのは違う。
どれだけ深めたり広げたりすればいいかは、
もちろん決まりがないので、
これはコーチングの機会を重ねて、
感覚的に掴んでいってもらいたい。
今日のまとめ
というわけで本日は、
コーチングにおいて、
非常に重要で、使い勝手が良く、
使う頻度も非常に高い、
「掘り下げる質問」
と
「拡げる質問」
についてご紹介しました。
想像以上に、
表面的な薄っぺらい会話で終わらせてしまったり、
十分にアイデアや情報を引き出せていないケースが多い。
この2つの質問を駆使することで、
会話の質が格段に増す。
使いこなしていきましょう!