ビジネスコーチングがもっと身近なものになったらいい。

「ビジネスコーチング」というコミュニケーションのやり方が、

もっと組織や、組織のマネジメントに浸透していったとしたら、

組織の成果というものはもっと大きなものになるだろうし、

組織に所属する人たちは、

「やりがい」や「主体性」のレベルをあげて、

仕事や活動に臨むことができると確信している。

ビジネスコーチングをうまくやる「方法」はたった2つ

ポイント1:コーチングの流れを理解し実践する

コーチングの流れ、フレームワークで最もメジャーなものは、
間違いなく「GROWモデル」

Goal:目標、望む状態を定める(何が目標?どんな状態にしたい?)
Reality:現状を正確に把握する(今どう?何があって何がない?)
Options:選択肢を創造する(どんなアイデアがある?)
Will:(いつまでに誰が何する?)

この流れを憶えて、しっかりと使いこなす。

ポイント2:コーチングのコミュニケーションスキルを使いこなす

コーチングのコミュニケーションスキルって、
本当に簡単(※)。

主要なスキルと言えば、
傾聴、質問、フィードバック(承認と改善)

傾聴というのは、
人の話をよく聞きましょう。
それも、
「聴いてくれてる」
ってわかるように聴きましょうとうスキルだし、

質問というのは、
オープンクエスチョンつかいましょー。
人の話を拡げて、深めるために、
「他には?」
って訊いたり、
「それってどういうこと?」
って訊いたりすることだし、

承認は、
コーチから見えたことを、見えたように伝えることだし…。

簡単だと思いません?

補足

※誤解がないように言っておくと、
コーチングは奥が深いので、
学べば学ぶほど、たくさんのやり方を学べるし、
ひとつひとつのスキルは、
磨けば磨くほどに光ると思う。

しかし、
プロのコーチになることを決めない限り、
つまり、
組織のマネジャーが、
メンバーに対して使うようなコーチングスキルであれば、
簡単ですよという意味。

どこかで聴いたことあるような内容が、

うまくいかない主要な理由4つ

簡単なコーチングを難しく捉え、
うまくいかないものにしてしまう、
主要な理由を考えてみた。

理由その1:テクニックに走る

コミュニケーションのやり方というのは、
「どんなスキル使うの?」
「どんなテクニックがあるの?」

「どんな流れでやるの?」
などとHow toに関心を寄せる人が多い。

とりわけコーチングというのは、
知識、スキル、テクニックを知っていること、
そして、それを実践できることは大事だ。

しかしそれ以前に、
「あり方」「スタンス」「姿勢」
が大事になってくる。

「どううまくやるか」
の前に、
「いかに相手に関心を向けるか」
の方が、コーチングが成功するためには、
よほど大事と思う。

テクニックに関心が行くあまり、
相手への関心がおろそかになる。

理由その2:コミュニケーションパターンは染み込んでいる

頭では解っているものの、
これまで染み込ませてきた、
自分のコミュニケーションの「パターン」というものは、
何十年という年月を経て今がある。

「話すよりも聴きましょう」
「オープンに質問しましょう」
って言われても…。
自分の頭で解っていることと、
実際にやっていることが全然違ってしまうのは、
仕方のないこと。

コーチングの技術が難しいのではなく、
これまでのコミュニケーションパターンを変えることが難しい。

これをまずは自覚する必要がある。

理由その3:関係性が固まっている

自分のコミュニケーションパターンだけではなく、
人との関係性も、
これまで築き上げてきたものがある。

例えば…、
これまでの人生でさんざん自分が話してきて、
ほとんど相手の話を聴いてこなかった。
あるいは、
話す機会や場さえ、
まったく与えてこなかった。

としたら、
その関係性においては、
「役割が固定化」されている。

つまり、
自分が「話す人」で、
相手が「聞く人」(あるいは聞くふりをする人)。

今まで担ってきて、「固定化された役割」というのは、
これもまた手放すことが難しい。

散々話しまくってきた人がいきなりコーチになって、
「で、どう思う?」
ってニコニコしながら聴き手に回ったとしたら、
はっきり言って気持ち悪いし、
相手は警戒する。
あるいは、
相手からしてみれば、
今までは相手が話してくれてだいぶ楽だったのに、
いきなり話を振られて、
何を話していいのかわからないということがある。

つまり、
コーチング的に関わりを変えてみたはいいけれど、
そのコミュニケーションはしばらくうまくいかない。

つまり、
相手が話さない、沈黙が続く、
ということが起きる。

気まずい…。

せっかく自分のパターンにチャレンジして、
頑張って聴き手に回ったのに、
相手が警戒して何も話さない。

そうするとどうなるか。
話は簡単。
「元に戻った方がいい」
という判断をくだす。
また、
その判断をくだすまでに、
それほど時間は必要ない。

コーチングには忍耐が必要だし、
新しい関係性や、
コミュニケーションスタイルを
自分のものにするというコミットメントが、
どうしても必要だ。

理由その4:効果が出るのに時間がかかる

これはそのまま。
言葉を変えると
「地味」なのだ。

コーチングというのは、
相手が、
自分で考えること。
自分で決めること。
決めたことを実行すること。
その実行と結果を振り返ること。

これらを自発的に実施していくことを、
サポートしていくツールだ。

そして、
この力がつくのにも時間がかかるし、
結果が生まれたとしても、
「コーチングがきっかけでうまくいった」
と、いい切ってもらえないことが多い。

当たり前だけど、
成果をつくる要因というのは、
内的要因外的要因含め、いろいろあるわけで、
華々しい理由が、成功の要因として捉えられ、
そのプロセスであるコーチングは、

なんとなく忘れ去られる。

そう、
コーチングは、「地味」なのだ。

しかし、この土台づくりがあるからこそ、
成果を生み出すことができる。

ここに意味付けができるか。
ここに価値を見出すことができるか。

きょうのまとめ

というわけで、

「ビジネスコーチング」
という舶来の言葉のイメージに翻弄され、
「簡単なことを難しくしてしまう」
というのが、
ビジネスコーチングがうまくいかない、
重要な理由のひとつであるということ。

しかし、
企業における活動の、
ベースをつくるコミュニケーションの技術としては、
絶対的に必要なものだ。

人は根本的に
「自分の存在を活かしたい」
「自分の存在が誰かの役に立ったらいい」
と願っている。

「自分の考えを表に出したい」
「自分の考えを誰かにわかってほしい」
「自分の考えを形にしてみたい」
と思っている。

それを引き出し、サポートできる存在は、
組織の中で人が活躍するベースをつくる。

コーチングの技術自体は「簡単」
難しいのは、自分の「思考」の変換。

コーチングを習得して、
素晴らしいマネジメントをするために、
しばらくその「自分の思考」の変換に、
チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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