フィードバックは端的に言えば「指摘」である。
目的は、シンプル。

「気づかせること」

ではさらにその目的は?

それは、
「相手のパフォーマンスが向上する」こと。

ここでいう「パフォーマンス」というのは、
創り出したい成果に向けて、
しているさまざまな言動のこと。

しかし正しいやり方を知らないと、
無用に対立を引き起こすものでもあるので要注意。

フィードバックの方向性

うまくいっている点を指摘すれば、
「承認のフィードバック」になる。

つまり、相手を力づけることにつながるし、
その言動を引き続きよろしくというメッセージにもなる。

うまくいっていないように見えることを指摘すれば、
「改善のフィードバック」になる。

「今の行動を変える必要がある」というメッセージになる。

フィードバックの3要素

フィードバックの要素は3つある。

・事実のフィードバック
・気持ちのフィードバック
・判断・解釈のフィードバック

事実のフィードバックというのは、
客観的事実のみを伝えるやり方。

気持ちのフィードバックというのは、
こちらがその言動によりどのような気持ちになったのかを伝えるやり方

判断のフィードバックというのは、
その行動が自分の基準からみてどうであるのかを伝えるもの。

良いのか悪いのか。
正しいのか正しくないのか。

例えば…

「電車で音漏れさせている人がいる」
という状況があったとして…。

「音漏れしてますよ」
と伝えるのが「事実」のフィードバック。

「音漏れしているので、私は不快です」
と伝えるのが「事実」&「気持ち」のフィードバック。

「電車音漏れするのはマナー違反ですよね?」
って伝えるのは「判断」のフィードバック

事実のフィードバックの効果

「音漏れしている」
事実を伝えると気づかせることができる。

「音漏れしていることに気づいていない」人で、
「音漏れすることを望んでいない」人、
つまり、そのような価値感や基準のある人に対しては、
事実のフィードバックだけをすれば、パフォーマンスが改善する。

「気づかせてくれてありがとう」

という感じだろう。

相手が恥をかくようなこともない。

気持ちのフィードバック

気持ちのフィードバックというのは、
自分がしていることの影響に気づくことができる。

「音漏れしていることに気づいていない」人で、
「音漏れの影響について知らない人」に対して、
「音漏れしていることで人に不快を与えている」

というひとつの事実に気づくことができる。
人に迷惑をかけたくないとか
不快な気持ちにさせたくないと思っている人は、
パフォーマンスが改善する可能性がある。

しかし、
自分が良ければいいと思っている人は、

「だから何?」という反応になるだろう。

判断のフィードバック

「気持ち」というのは個人的な感情であるのに対し、
「判断」というのは何らかの基準を用いてフィードバックをする。

個人的な基準や価値感かもしれないし、
社会的な基準や価値感かもしれない。

「音漏れしていることに気づいていない」人で、
「音漏れすることが他の人や
社会的にはどのように捉えられるのか知らない人」に対して、
他の人や社会の基準とその人の基準の違いに気づかせることができる。

他の人の基準に合わせた方がいいと判断した場合は、
パフォーマンスが改善される可能性もある。

ただしこの場合、
フィードバックした人の判断や基準が正しいかどうかはわからない。
また、時には、基準や価値感の押しつけになることもあるので、
両者の間にある程度の信頼関係があったり、
社会的な基準が明確なものでないと、
相手の納得感を得られない場合が多い。

フィードバックの目的はいろいろ

実はフィードバックの目的はいろいろあり得る。

例えば、フィードバックの目的が、
「自分がスッキリすること」
になると、感情的に伝えてしまったり、
必要以上に「盛って」伝えてしまったりする。

こういうフィードバックは一般的に受け取りづらい。

フィードバックするときは、
目的を明らかにする必要がある。

また、フィードバックの最中は、
その目的に根ざしている必要がある。

フィードバックの目的として忘れてはいけないこと。

それは、

「相手のため」になるということ。
「相手を尊重し、相手を思いやって」のことであること。

フィードバックには「愛」がなければいけない。

これが大切。

今日のまとめ

フィードバックは、
相手が気づいていないことに気づかせることが目的。
さらには、パフォーマンスが改善していくことが目的。

それは自分のためにではなく、
相手のためであると感じられることが重要。

そして、フィードバックにはさまざまな要素がある。
必要に応じて使い分ける。
相手の状況に応じて使い分ける。
このちょっとした使い分けが、
相手の心や言動をスムーズに動かすことになる。

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