あっという間に移りゆく社会やテクノロジー。取り巻く環境は著しく変化していく。誰かの決まった正しい答えが、すべての状況を乗り越えさせる時代は終わった。次から次への変化する状況に対応していくためには、枠の中の決まった答えではなく、時には画期的なものの見方や考え方が必要となり、そこから出されたアイデアが求められる。

そのアイデアを組織においてどんどん出していくために、1on1ミーティングがどのような役割を担い、どのような効果をもたらしてくれるのか。

1on1ミーティングの前提

少し前提に触れておくが、1on1ミーティングは、高頻度で定期的に実施する、部下のパフォーマンスを支援するためのミーティング。
高頻度というのは、少なくとも月に1回。可能であれば週に1回実施する。
時間は相手の置かれている状況にもよるが、30〜60分の実施。
これが前提。

信頼関係の向上

人は基本的に「話したい」と思っているし「わかってほしい」と思っている。自分が好きな人がいて、その人との関係を深めたいと望んだとき、「もっと自分のことを知ってほしい」と思うだろう。そして同時に「もっと知りたい」と望むはずだ。

1on1ミーティングでは「コーチング」のスキルを存分に使って、相手の話に耳を傾けることになる。

質問して→傾聴して→受容して→承認(時に適切なフィードバック)。
つまり、存分に相手の考えや価値観・世界観を受け取っていく。自分のことについて理解を深めてくれる人に対して、信頼は増していく。

逆の面談

これに対して通常の面談で何が起きるかと言うと、前回のブログでも触れたが、

説教して→「はい」と言わせて→黙らせる

あるいは

質問して→意見を言わせて→否定して→正しい答えをかぶせる

とこんな感じ。

決して極端ではない。これでは、信頼は積み上がるどころか、どんどん切れていく。

考える力が身につく

「考える力」というのは例えて言うならば脳の中の筋肉だ。使うことで、鍛えられていく。筋トレは、意識的に鍛えたい部分に負荷を掛け、繰り返すことで筋肉が太くなる。その結果、より強い負荷に耐えられるようになったり、反応が早くなったりする。

考える力も、反復による強化が必要。一方的に答えがやってくるような関わりだけだと、考える力が強化されない。強化されないどころか、衰えていく。

質問して→待つ!(沈黙)→意地でも自分なりの答えを出させる→受け取る(なるほど)

正しい答えが出せるようになるには時間が掛かる。しばらくは、答えを出すのに時間がかかることも間違いない。しかしこの繰り返しによって、考える力は確実に鍛えられる。

質問に答えるには時間がかかる

何を訊かれているのかを理解し→自分なりの答えを頭の中に探しにいって→それを伝わる言葉に変換する。
質問されてから答えを出すには時間が掛かる。今まで訊かれたことのない質問や考えたことのない事柄であればなおさらだ。

やってしまうことその1:答えを与える

質問の答えが出てこないから、答えを与えてしまう。沈黙に耐えられない。これで相手の思考回路は止まる。これが続けば、「黙っていれば相手は答えを与えてくれる」というプログラムが相手の脳みその中に仕上がることになる。

やってしまうことその2:質問を変える

自分の質問が悪かったと勝手に判断して、あっという間に質問を変える。これが相手の頭を混乱させる。

まとめ

ちょっと長くなったので、続きはまた次回。

次回は「1on1ミーティングの効果②」ということで、さらに個人にもたらされる効果と、組織にもたらされる効果をお伝えしていこうと思います。

しかし、本日お伝えした内容だけでも、1on1を適切にやることの効果は上々だと思いませんか?