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マスコミの切り取り
すでに多くの人が気づいているが、マスコミは自分たちの都合のいいように、情報を切り貼りしてメディアを通じて見せる。でも私たちは、前後の言葉を捉え、文脈を捉え、そしてその発言の場を考える必要がある。
セクシー発言の文脈や背景
報道されている発言は、全文の中のごくごく一部。小泉進次郎氏は、これは国連の環境関連のイベント前の記者会見において、この発言をしている。さらにその前には、会合があって、その会合の参加者から、sexyという単語が用いた発言があった。
したがって、小泉進次郎氏は、この流れから、記者会見において、sexyという単語・言葉を用いたことがわかる。
小泉進次郎環境大臣の発言は、そもそも英語
日本のマスコミは、「進次郎が環境問題をセクシーに取り組むべきと言った」というように報道している。そもそも、ニュースだけでこの事実を捉えている人は、小泉進次郎大臣が日本語で言ったと認識(誤解)している人もたくさんいるのではないだろうか。
日本語で「セクシー」という言うと、そういうイメージを持つか。日本語しか話さない多くの人は、「性的な」「いやらしい」ということとつながるのではないだろうか。しかし、英語の意味は2つある。
”sexy”の意味
1.性的魅力のある、セクシー[挑発的]な。
2.<話題・道具などが>わくわくするような、非常におもしろい、魅力的な
〜ウィズダム英和辞典(三省堂)からの引用〜
簡単な前後の文脈を探り、辞書の意味を知だけでも、小泉進次郎氏が、2番の意味で用いていることがよくわかる。
小泉進次郎大臣のセクシー発言の内容(一部)
※小泉進次郎氏のセクシー発言全文を探したが、残念ながら見つからなかった。しかし、この私のブログの意図は、一部を鵜呑みにすることなく、より真実に近い事実を捉えることにあるので、ここではそれで良しとする。
イベントでの発言(一部)
Japan made Kyoto protocol in 1997, but we haven’t take enough leadership since then, but today from today we are deferent. So I hope we can work together Decarbonization off. our cities and countries and the world. Thank you very much.
報道された小泉進次郎氏のセクシー発言
On such a big and big scale issue like climate change we gotta be fun, we gotta be cool, we gotta be sexy cool.
同時に示されたテロップ
テロップは完全に日本語。これを見た瞬間に、受け手はこの言葉が持っている意味をイメージする。
見出しテロップ
(発言)気候変動問題は「セクシーに」
ニュース中右上のテロップ
(狙い)「セクシーに」気候変動問題で 意図は?小泉大臣NYで発言
小泉進次郎氏のセクシー発言 ※上記に少し前後を加えたもの
“In politics there are so many issues, sometimes boring. On tackling such a big-scale issue like climate change, it’s got to be fun, it’s got to be cool. It’s got to be sexy too,”
政治には、実にたくさんの課題があるが、時としてそれは退屈なものだ。気候変動などの大きな課題に取り組む上で、楽しくあるべきだし、クールであるべきだし、セクシーでもあるべきだ。
“We are committed to realizing a decarbonised society, and we are ready to contribute as a more powerful country in the fight against climate change,”
私たちは脱炭素社会の実現を決意しており、気候変動との戦いにおいてよりパワフルな国として貢献する準備があります。
セクシー発言の真意
「難しくて大きな問題ほど、「退屈だ〜」とう意識で取り組むのではなく、楽しみやワクワクする要素を取り入れていく必要があるよね」というメッセージを送り、各国にその取組みを促していることがわかるし、同時に日本も本気でやるよというメッセージを送っていることもわかる。
まとめ
私たちは、投げかけられたメッセージを、そのまま受け取る傾向がある。よく言えば素直、悪く言えば騙されやすい。
切り取られた一部のメッセージを鵜呑みにして判断を下すことは非常に危険なこと。今回は報道を取り上げたが、日常的にも起こることだ。誰かからの伝聞によって、「あいつはけしからん!」などと判断を下すことも起きる。
私たちは、より鮮明な事実を捉えていく必要がある。より広範囲な事実を捉えると、見方や考え方、判断や解釈が変わる。
私は別に小泉進次郎氏のファンでもないし、擁護しようというつもりもまったくない。しかし、誰かの意図によって歪められた報道で判断をしていくことには危機感をおぼえる。より正しい情報や事実を取り入れることで、自分にとって適切な判断をしていくこと。そのことにできるだけ多くの人が誠実であることを願うばかりだ。