教育コーチング

敬愛大学にて、「教育コーチング」をテーマに90分の講演をさせていただきました。

ご参加者は、
大学教員の方:45名
短大教員の方:15名
事務職員の方:2名
合計62名の方にご参加いただきました。

未来のリーダーを育てている学校に、コーチングのお話しをさせていただけるのは嬉しい限りです。

主体性とやる気は何から生まれるか

主体性、やる気、モチベーション。これが湧き上がる状態をつくるには、「目的」「ゴール」が必要不可欠。これらを周りから与えることはできない。「やらされ感」では当然ながら、これらは湧いてこない。
与えたり、植え付けたりすることはできないが、きっかけを与えることはできる。主体性、やる気、モチベーションはすべて内発的な理由から生まれる。

主体性をつくる2つの要素

主体性をつくるには、
1.「ここに行きたい」という目的地・ゴール
2.「ここに行ける」という希望
の2つの要素が欠かせない。

目的地・ゴール

ほしいモノや状態。創りたい成果。ビジョン。目標の達成。自分の将来像。自己イメージ。ほしい能力やスキル。
「こうなりたい」「これをやりたい」「こういう状態にしたい」という気持ちが、そこに向かう原動力をつくる。

希望

「行けるかも」という希望が必要だ。「無理」「無茶」「無謀」と思った時点で、モチベーションは全く働くなくなる。「どうせ私なんて」では人は動かない。

希望の要素1:方法や手順が明確

ゴールに向けた道筋が見えていることが重要。ひとつひとつのことをこなしていけば、あそこにたどり着ける」という方法や手順、つまり行動レベルで具体的になっていることが、希望をつくるひとつの要素。

希望の要素2:自信

立てた道筋を自分なら歩ける、ひとつひとつの行動を、自分は潰していけるという感覚が2つ目の要素。
そのためには、まず、すでにある自分の能力や強みを認める必要がある。また、不足する能力があるのであれば、それをつける道筋を考える必要もある。

コーチングは忍耐が必要

コーチングには忍耐が必要である。質問をしたら、相手が答えを出すまでの間、辛抱強く待つ必要がある。

ティーチング

コーチングはティーチングと対比しながら話をすることが多い。ティーチングというのは、教える、自分の意見を示す、指示を与えるなどの行為。つまり、答えを与えたり、より安全でうまくいく(リスクの少ない)やり方を示すのが、ティーチングである。つまりティーチングというのは、指導者や立場的、経験的に上位にいる人が、主に情報を発信していくやり方である。人の育成には、この要素は欠かせない。

コーチング

一方コーチングは、質問する、傾聴する、承認するの繰り返し。つまり情報の主な発信者は相手となる。自分で考えて、自分で答えを出し、自分で決断をしていくプロセスの支援。情報発信の主体は相手だ。

コーチングの罠

コーチングは質問をするわけだが、大抵の場合、質問する人はその質問に対する自分なりの答えを持っている。だから、相手が質問の答えを探しあぐねていると、ついつい自分が持っている答えを言いたくなる。こちらの答えを伝えた時点で、相手は考えることをやめ、主体性や主導権はコーチに移る。この時点でコーチングは機能しない。喉から出そうな答えをぐっとこらえ、相手が答えを出すことを待ち続けなければならない。

他に話したコーチングの要素

講演では他に、以下のような内容を話しました。
○コミュニケーションの要素(言語・非言語)
○GROWモデル
○コーチングにおける傾聴
など


まとめ

敬愛大学の教員のみなさまには、本当に熱心に講演に参加されていました。思えば、出会う教員のみなさまは、実に多くの方が熱い想いやビジョン・志を持ちながら関わっていらっしゃいます。今回の教育コーチングの講演が、その想いを実現する一助になることを心から期待しております。機会をいただき、本当にありがとうございました。

教育コーチングについては、また別の形でより具体的、詳細にまとめていこうと思います。

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