目次
1on1ミーティング(以下1on1)がさまざまな企業で導入されていますが、
「1on1なんて意味ない」
なんて声もよく聴きます。
しかし、適切にやることができれば、
1on1は「多大な意味と価値」をもたらします。
というわけで今日は、
「1on1なんて意味ない!」
としてしまう要因をみながら、
考えられる対策についてお伝えできればと思います。
記事を読むことで得られること
- 1on1が意味のないものになってしまう個々の要因や課題が理解できる
- 組織的な要因や課題が理解できる。
- 1on1が意味のあるものになっていくための改善のポイントがわかる
記事の信頼性
私は研修業界に2005年から携わっています。
1on1やコーチングの研修・セミナーを100本以上実施。
また、企業・組織の1on1導入や仕組みづくりにも、20社以上に携わってきました。
1on1が意味ないものになる6つの要因
まず結論から言います。
1on1が意味ないものになる主な要因は以下の6つ。
- 1on1は意味ないと思い込んでいる(個人の意識)
- 1on1のスキルが不足している(個人の能力)
- そもそもの信頼関係が欠如している
- 成果を焦りすぎている
- 1on1を意味あるものにするための「仕組み」がない
- 会社・組織のバックアップや理解がない
というわけで、ひとつずつ説明していきます。
1on1は意味ないと思い込んでいる
「1on1なんて意味ない」
と言いたい気持ちもわかります。
1on1ミーティングとは
「主に組織のマネジャーとメンバーが1対1で定期的に対話する」もの。
つまり、時間が取られるということです。
何かの時間をある意味犠牲にして、
1on1に時間を割かねばいけません。
しかし、人の意識は言動に大きな影響を与えます。
「1on1なんて意味がないのに…」
って心の中で思っているのに、会社の命令だからやらなければならない。
腹落ちしていないのにやるというのは、
「やらされ感満載」になりますね。
「こんなの意味ないよな…」って心のなかで思っていたら、
どんなに1on1のスキルがあったとしても、
うまくいくわけがありません。
人は自分が信じていることを体現しようと体が動きます。
つまり、「意味ないことを証明する」言動を、
知らず知らずのうちにしてしまいます。
人は無意識が95%以上。
「意味ないことを証明してやる」
って心の中で思っている人が、
1on1を意味ないものにするのは簡単です。
1on1が機能するために必要なポイントを、
ことごとく無視するか、反対のことをやればいいわけですから。
1on1のスキルが不足している(個人の能力)
1on1の実施については前向きだけど、
うまくいかないとすれば、
個人の1on1スキルの欠如に要因があるかもしれない。
1on1を円滑に進めるためには、
1on1のための適切なコミュニケーションスキルを使う必要があります。
また、1on1の流れを理解し、動かす必要があります。
その1on1スキルを知らない。
また、知っていても使えていない。
さらに、使っているけど機能していない。
という段階があり、どこに当てはまるかは人それぞれでしょう。
そもそもの信頼関係が欠如している
1on1が機能する、つまり意味のあるものになるかどうかは、
双方の信頼関係が鍵を握る。
信頼関係が欠如している場合、
例えば、
「この人の質問には答えたくない」
「この人に話を聴いてもらいたいと思わない」
ということになる。
信頼関係がなければ機能しない1on1だけれども、
信頼関係を構築するための1on1でもある。
これまでの信頼関係が壊れていたり、
十分に構築されていないのであれば、
まずはそこから築いていくつもりで、
1on1を実践していく必要があります。
1on1で構築される信頼関係について書いた記事↓
https://lbj.co.jp/coaching/20200306_1on1meeting/
成果を焦りすぎている
これは非常によく見られる要因です。
マネジャーは特に、
会社や組織から「成果をつくること」を
ミッション(任務)として与えられています。
「短期的な成果を出さなければならない」
という焦りの心理状態になることが多く、
その場からは直接成果を生み出さない1on1の時間に、
もどかしさやいらだちを感じる気持ちもわかります。
間違いなく1on1は、
長期的視点で間接的に成果をつくる仕組みです。
だから、
1年2年かけて人や信頼関係が育ち、
2年後3年後に成果を収穫するイメージを持ちながら、
1on1に取り組む心構えが必要です。
会社・組織のバックアップや理解がない
1on1が有効だから、
自分の組織で取り入れようと思っていても、
全社的な理解がないと停滞します。
「そんなことやってなんの意味があるんだ」
「話している時間があったら動け」
というような組織的な風潮があると、
1on1をする時間をつくることにも抵抗が生まれます。
まるで1on1をしていることが「悪」というような…。
1on1を意味ある時間にするためには、
全社的に「1on1OK!」「1on1に期待!」
というような雰囲気をつくっていくことが欠かせません。
1on1を意味あるものにするための「仕組み」がない
組織として「仕組み」がうまく作れていないということがあります。
仕組みというのは、
ある意味自動的に行動が起きていくように、つくられるものです。
「1on1、気が向いたらやってください」
とか
「1on1の仕組みづくりは個々に任せます」
という状態では、
なかなか1on1が機能しません。
担当のマネジャーとそのメンバーで、
1週間に1度30分の1on1を実施するという仕組みがあります。
話すことがあってもなくても、
その機会が設けられているということが、
1on1をやりやすくします。
また、1on1のスキルを
「確認・ブラッシュアップする」
仕組みもあるといいでしょう。
1on1の勉強会やフォローアップ研修をすることで、
情報交換ができたり、自分のスキルの現在地を見つめることができます。
1on1を意味のあるものにする対策
ではどうしたらいいのかということを改めてまとめていきます。
1on1実施に関する個人の意識の向上
1on1に対して前向きになるよう、
組織からはその意味や価値、意図や狙いなどを、
しっかりと説明しましょう。
また、個人としては、
自分の責任で1on1の意味を理解し腹落ちできるよう、
会社と対話することも重要です。
個人の1on1スキルの改善・向上
スキルを学べる機会を創りましょう。
また、一回学んでおしまいではなく、
定期的に1on1のスキルをブラッシュアップする機会を設けることも、
非常に重要です。
全社的な1on1の仕組みづくり
全社的に共通の、
ある意味「強制」の仕組みを創りましょう。
みんなが大手をふって1on1に取り組める状態をつくることが、
1on1成功の鍵を握ります。
前向きな人で1on1の成功事例をつくる
どうしても「後ろ向きな人をなんとかしたい」
という心理が働きます。
「1on1をすることは意味ない」と抵抗・反発している人は、
なんとか歩調を合わせたい、会社の方針に従ってほしい、
となりますから。
でもそこに意識やエネルギーを向けるのではなく、
すでに前向きに取り組んでいる人にエネルギーを注ぎましょう。
本日のまとめ
1on1導入は多くの企業にとって、
コミュニケーションの文化を大きく変えることになります。
人は慣れ親しんだ文化や仕組みが、
仮にうまくいっていないとしても心地よくなっていきます。
それを手放さなければならない。
自分が何かを変えなければならない。
こんな状況になると、どうしても心の中に抵抗が生まれます。
したがって、1on1導入にあたっては、
社員の反発があったり、なかなか成果が出なかったりして、
せっかく導入した1on1をすぐに止めてしまうなんて話もよく聴きます。
しかし、なんとももったいない。
せっかく導入した1on1ですから、
その組織にいる人すべてにとて、
意味ある機会になることを祈ります。
LBJのサービス
弊社でも1on1の研修や仕組みづくりの支援をしております。
https://lbj.co.jp/service/
どうしてもうまくいかないなぁという場合や、
もっと効率や生産性をアップさせたいということであれば、
是非一度、弊社にご相談ください。
https://lbj.co.jp/contact/