前回のブログにおいて、重要な3つのポイントのうち2つを紹介した。
1.うまくつきあいたいと願うこと
2.うまく付き合う状態を定義すること
そして3つ目のポイントは、信頼されること。これまた「そんなの当たり前」という声が聞こえてきそう。それができないから苦しんでいる。
そう、信頼を勝ち得るためにどうしたらいいのかが、なかなか難しいところなのだが、信頼を得るために簡単にできることも、実はやっていなかったりする。
というわけで、本日は「あー、それならちょっとやれそう」と思えるような「信頼される方法」をいくつか紹介できればと思います。
信頼されるポイント
信頼関係をつくるためのポイントとも言いかえられると思う。これは実にさまざまな要素があるのだが…。そのうちのいくつかを紹介する。
1.相手に本物の関心を向けること
2.コミュニケーションのペースを合わせること(ペーシング)
3.相手を知ること
4.自己開示すること
1.相手に本物の関心を向けること
まずは、意識的なお話し。人からの「関心」は「愛」として受け取られる。そして、その関心が本物なのか、表面的なものなのかは、態度や言動を通じて相手に伝わっていく。
2.ペーシングする
コミュニケーションのペースを相手に合わせること。これをペーシングという。人はコミュニケーションのペースを持っている。そして自分のペースにも気づいていないくらいに、コミュニケーションのペースというのは自然なものだ。
コミュニケーションの要素
そして、コミュニケーションのペースの要素は大きく分けると2つ。さらに分けると3つに分けられる。
それは、言語要素と非言語要素。そして非言語要素はさらに、2つに分かれる。
言語要素
言語要素というのは、「言葉」である。つまり、伝える内容のこと。文字情報。話題。言葉遣いなどがこれにあたる。
平たく言えば、「何を話すのか」ということ。ペースが合うというのは例えば、
日本語なら日本語を話す。相手が英語なら英語を話す。と言語の括りで言えばそういうこと。そして他にも、相手が野球の話が好きなら、野球の話をするとペースが合うし、好きな料理の話をすれば、それもまたペースが合う。
専門用語なども同じ。相手の知識が十分にあれば、専門用語をたくさん用いて話してOKのだし、そうでなければ噛み砕いて話をする必要がある。
非言語要素①:現れ・振る舞い
コミュニケーションというと、「言葉」に焦点が当たりやすいのだが、私たちは言葉の他の要素でも情報をやりとりしている。その一つが現れや振る舞い。現れや振る舞いには以下のような要素がある。
表情、姿勢、ジェスチャー、アイコンタクト、服装など
人は表情で何かを伝えようとするし、人の表情を見て相手の感情や状態を受け取る。現れ、振る舞いも重要なコミュニケーションの要素。
非言語要素②:声・口調
もうひとつは声や口調。
声の大きさ、話す速さ、声のトーン、間のとり方
やはり、このそれぞれの要素から、相手の状態を読み取る。
相手のペースと自分のペース
観察していると、相手のペースがわかる。同時に比較によって自分のペースもわかる。そして相手のペースに気づくと、自分のペースを意識的に調整をして相手に合わせることができる。これがペーシング。
話すスピードや表情などは、そのギャップに気づきやすい。
ペーシングの効果
コミュニケーションの要素が合えば合うほど、「なんかこの人、波長が合うんだよな…」ということになる。そしてこの感覚的な「波長の一致」は信頼関係の構築をもたらす。感覚的に「なんか合う…」というのは、人にとって重要だ。
逆に合わない要素が多ければ多いほど、「なんかコミュニケーション取りづらい」ということになる。
そして重ねて言うがコミュニケーションのペースなど、人は意識しない。非常に感覚的なものだ。だからこそ、その技術を知っている者が、意図的にペースを合わせていく。
3.相手を知ること
1番で相手に興味を持ったら、具体的に相手の世界に耳を傾けたらいい。
・何が好きなのか
・何を大事にしているのか
・何にモチベートされるのか
・何がストレスなのか
・どんな仕事をしてみたいのか
・何に興味があるのか
・強みは何か/弱みは何か
・過去の成功/失敗体験
耳を傾けることはたくさんある。そして、相手の世界を知ることは、言葉のペーシングも可能にする。相手が好きな話題について、こちらも興味を持てばいい。
4.自己開示すること
相手に聴いてみようかなと思うことについて、自分から話をしてみるということ。自分が話していることが、たまたま相手のペースに合うことであれば、そこから共通点が生まれる。共通点が生まれるのは、なんとなくうれしいことだ。どんな話で相手とつながるかはわからない。
話し方のモデルを示すという意味合いもある。相手は突然の質問に戸惑うかもしれない。「なるほど、こうやって話せばいいんだ」とか「こんな内容を話せばいいんだ」などと、相手が話し始めるきっかけを与えたり、ヒントになったりもする。
まとめ
だいたい、自分が好きな人を振り向かせたい」って思ったら、上記1〜4まで、同じことをするだろう。
1.相手に興味を持って、
2.たくさんの要素でペースを合わせ、
3.たくさんのことを知りたいと願い、
4.自分のことも知ってほしいと願う。
その信頼の結果が「お付き合いしましょう」とか「結婚しましょう」という話になるわけで…。ビジネスの世界も大差ない。本気の度合いが違うだけだ。
恋愛と違うのは1番。どうしようもなく興味が向いてしまうか、意識を向けなければ興味が向かないか。この差はでかいと思うかもしれないが、言ってしまえばこれだけの差である。
興味を向けてビジネスの世界でも恋愛しましょう。