目次
こんな方におすすめ
ビジネスで強いチームをつくりたいが…、
課題を感じている
- 組織に一体感がない
- チームとしての成果が思うように生まれない
- チームメンバーの主体性や当事者意識が欠けている
- メンバー間の信頼関係が希薄で雰囲気が悪い
- チームビルディングとは何かを知りたい
このブログを読んでわかること
- チームの形成期(初期)に何をすべきか
- なぜチームビルディングが大事なのか
- チームビルディングの基本的な考え方
- チームビルディングについて勘違いしていること
- タックマンモデルの意味
記事の信頼性
筆者は、
- PHP研究所認定ビジネスコーチ(上級)
- PHP研究所認定チームコーチ
- JTA認定トレーナー
- チームづくりに関して100以上の研修や講演を実施
- ビジネス、医療、スポーツなどチームを数多く支援
メンバーの主体性を引き出す、
「コーチング」の技術をベースに、
リーダーシップの育成と、
組織成果を最大化することを支援しています。
タックマンモデルの全体像概要
タックマンモデルの簡単な概要については、
チームビルディングに関する別記事で紹介しています。
まずは全体像を簡単に知りたいという方は、
こちらの記事からご覧ください。
↓
勝つためのチームづくり「チームビルディング」狭い意味と広い意味
タックマンモデル形成期とは何か
「形成期」というのは、
読んで字のごとく、
「チームを形成する」段階。
つまり、
チームづくり初期にあたる。
まさに、
「チームビルディング」
という名前がふさわしいのは、
この形成期ではないかなと思う。
チームづくりには大きく、2つの種類がある。
ひとつは、
「新チーム誕生」
もうひとつは、
何かの節目で起こる
「チームの再構築」
チームの形成期①:新チーム誕生
「新チームの誕生」というのは、
新しい組織が生まれる瞬間のこと。
「新チームの誕生」は大きく2つに分かれる。
一つは組織の分化により起こる。
もうひとつは新機能の追加。
チームの「分化」による新チーム誕生
例えば規模の小さい会社で、
いろいろな間接的な業務を、
「総務部」が一手に請け負っていたとして、
規模が大きくなったので、
その機能を、
「総務部」
「人事部」
「経理部」
に分けることが、
ここで言う、機能の細分化。
そうすると、
新たな組織が誕生することになる。
新機能の追加による新チーム誕生
今ある組織に、
まったく新しい機能を追加しなければならない時、
チームは誕生する。
例えば、
新しいテクノロジーへの対応。
最近(2020年現在)では、
4Gから5G に切り替わっていく過渡期の初期だと思うが、
携帯の製造会社では、
数年前におそらく、
5G対応端末の開発に関する組織が誕生しているに違いない。
例えば新型コロナ。
新たな脅威に対抗する措置として、
「新型コロナ対策本部」
などという新たな組織が誕生している組織は、
たくさんあるのではないだろうか。
いずれにせよ、
何らかの変化に対応するために、
組織として新しい「機能」を生み出す時、
新しいチームは誕生する。
チームの形成期②:何かの節目で起きる「チームの再構築」
ここで言う「節目」というのは、
例えば以下のようなこと。
- リーダーの変更
- メンバーの増加、減少・離脱
- メンバーの入れ替え
- 期首・期末など、目標の節目
- プロジェクトのスタート
メンバーの入れ替わりによる意識と役割の変化
チームの機能が変わらなくても、
メンバーの入れ替わりが起きると、
必ずバランスが変わる。
例えば、
誰かが担っていた役割を、
他の誰かがやらなければならなかったり、
適任といえる人が変わったりする。
メンバーの増減や入れ替わりは、
必ず改めて、
「形成」をし直す必要がある。
新人が入ってきてももちろん同じ。
新人の教育係は、
今までの役割をこなしながら、
新人の教育をすることは難しい。
誰かに何かのタスクや機能を、
委ねる必要が出る。
メンバーが変わらなくても「形成」が必要
どのようなときに必要かというと、
主には「期の始まり」
または、
「目標が変化するタイミング」
である。
ここでは、
メンバーが変わらなくても、
改めて「形成」する必要があるということ。
メンバーが変わらないチームは、
いろいろな意味で「馴れ合い」にもなる。
自分たちでは気づかぬところで、
チームの体を成しておらず、
グダグダになっていることもある。
「期」が変わるところで、
かならずチームの「形成」を意識する必要がある。
チームはどのように形成されるか
チームの形成は、ほぼ100%、
ひとつ以上上位の階層で起こる。
新たな部をつくるときに、
部長の独断で生まれることはない。
本部や役員レベルで協議され、決定される。
組織・チームを作った場合は、
作った人がある程度の形を整える必要がある。
形成期にリーダーがすべきこと
ここでいう「リーダー」というのは、
この組織をつくった人のことを言う。
ざっくりと言うと、
形成期にはその組織の形を示す必要がある。
ミッション・ビジョン・バリューズ。
目標やとるべき戦略など。
この形が整っていないと、
組織は目標に向かうプロセスにおいて、
確実に空中分解する。
ミッションを明らかにする
このチームの「ミッション」
つまり、
チームの「役割・責任」、
全体の中の何を担う存在なのか。
ということを、明らかにすることが絶対に必要。
リーダーの選定
組織における、
立場的なリーダーを決定する。
ミッションの遂行に最適なリーダーが
選出されることが望ましいが、
ベストの人選ができるかは、
組織全体の状況による。
メンバーの選定
ミッションを遂行する上で、
どういうメンバーがふさわしいか、
どのようなバランスが良いか、
などを考え、
メンバーを選定する。
もちろん、
全体最適があるので、
完璧と言えるメンバー構成になっているかは別の話。
目標の設定
場合によっては、
明らかの目標が与えられることもある。
いつまでに何をどのくらいやるのか。
それが、
上から与えられる。
しかし目標は、
自分たちで自主的に設定する組織もある。
よって、
場合によって違う。
形成期にメンバーが意識するべきこと
メンバーは、その組織・チームの一員として、
少なくとも以下のことに関心を寄せ、
理解に努める必要がある。
組織のミッションは何か
組織というのは基本的に、
メンバーが一眼となって、
ミッションの遂行にあたる。
そのミッションを理解していないと、
自分が何のために仕事をしているのかがわからなくなる。
組織の目標は何か
目標というのは、
向かっている具体的な未来。
どこに向かってミッションを遂行しているのか、
その目標達成ための一員であることを自覚する必要がある。
組織の戦略は何か
ビジョンの実現や、
目標の達成に向けて、
さまざまな戦略が考えられる。
そしてそのための道はひとつではないことが多い。
とるべき戦略にズレが生じると、
これも組織としてうまくいかない。
「私はこうしたい」
という思いもあるかもしれないが、
組織で決定された戦略に沿っていくことが、
生産性高く目標に取り組んでいく鍵となる。
ただし、
決定までのプロセスに携われるのであれば、
そこでは存分に意見を伝えたらいい。
自分の役割と責任は何か
戦略の一部でもあるが、
自分の役割と責任を明確に理解すること。
あるいは、
自分への期待が何かを理解すること。
マネジャーによっては、
その役割の提示が苦手な人もいる。
マネジャーは完璧ではないので、
「目標達成をともに実現する同士として」
自分は何を担う必要があるのか。
明確にする必要がある。
これは、
マネジャーとメンバー、双方の責任。
組織としては、
漏れとダブりが最も怖い。
これを防止する。
この組織において守るべきルールは何か
どんな組織も最低限の規律は必要。
規律を設けるから意識付けができる。
対内的にも、対外的も、
物事がうまく進むように、
必要な規律は定めておく必要がある。
リーダーやメンバーの強みと弱みは何か
相互理解が大事。
ただし、これは形成期だけではなく、
チーム運営のプロセスにおいて、
そのチームが存在する限り続くこと。
一緒に仕事をする中で、
気づく相手のことはたくさんある。
相互理解があるからこそ、
お互いのリソースを存分に活かしあえる。
また、
「理解してくれている」
という安心感は、
心理的安全性の向上にもつながり、
より働きやすい職場にもなる。
形成期でどのようなことが起き得るか
ここで説明することは、
主に「新チーム誕生」によって起こること。
お互いに手探りの状態で、
形成期というのは時間が流れる。
様子見
新チーム形成により、
メンバーが初めて顔をあわせる。
基本的にはお互いに探り合いは起こる。
自分はどのような役割を担うのか。
相互のバランスはどうなのか。
周りのメンバーやリーダーとの相性はどうなのか。
不安や怖れ
新しい組織に入るとき、
新たな目標に取り組む時、
新たなメンバーを迎え入れたり、
誰かが離脱したときなどは、
多かれ少なかれ不安が起こる。
期待やワクワク
不安の反対には、
こちらも多かれ少なかれ、
期待も存在する。
新メンバーとの取り組み、
新たな目標、
新たな仕事。
チームビルディング形成期の失敗が引き起こすこと
- 方向性のズレで行動がちぐはぐ
- メンバーのモチベーション低下
- 生産性の低下
- 相互不信
(リーダー⇔メンバー、メンバー⇔メンバー)
今日のまとめ
本日は、
チーム形成のひとつのモデルである、
「タックマンモデル」について、
「形成期」の説明を詳しくしました。
何にしても始めは肝心です。
そしきとしての枠組みをしっかりつくらなければ、
組織は緩くなります。
家には必ず基礎工事があって、
家の基礎が安定していれば、
その家に住む人は安心です。
チームづくりも同様。
「土台づくり」が必要です。
みなさんの組織は、
しっかりと「形成」されているでしょうか。
一度自分のチームの状態を、
止まって観てみてはいかがでしょう。
LBJのチームコーチング
組織には、
これまで培ってきた文化や、
コミュニケーションのパターンが存在し、
自分たちの課題に気づいたり、
解決策を決定し実行することが、
難しいケースがたくさんあります。
いろいろ試したけど、
なかなかうまくいかないという場合は、
是非一度、お気軽にご相談ください。
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