フィードバックというのは、
相手の否定的な言動や意識について、
それを指摘していく関わりのこと。

そして、
このフィードバックを、
好き好んでやりたいという人は、
あまりいないかもしれないですね。

「相手を傷つけてしまうのではないか?」
「波風立たせてしまうのではないか?」
「嫌われてしまうのではないか?」
「怒りを買うのではないか?」

などの懸念はいつも付きまとうだろうと思います。

しかし、
組織的なより大きな成果を望んだり、
単純に相手の成長を望んだりする上では、
フィードバックは避けて通れない道です。

というわけで、
フィードバックをうまくやる方法について、
お伝えしていこうと思っているわけですが、
「やり方」の前に、
「目的」と「意図」について触れていきたいと思います。

1.フィードバックの目的

2.フィードバックの意図
3.フィードバックのやり方

という3部構成で、
今回は、
1.フィードバックの目的
についてお伝えしていくことになります。

上司から部下へのフィードバック

この記事を読んでわかること

  • フィードバックは何のためにするのか?
  • 目的のつながりを意識する

こんな方におすすめ

  • コーチングうまくなりたい方
  • フィードバック上手になりたい方
  • 部下のパフォーマンスを効果的に上げたい方
  • 子育てしている方
  • (少年)スポーツチームのコーチ

など

この記事の信頼性

記事執筆者の半谷知也(はんがいともなり)は

  • プロ講師として企業研修を1,000日以上実施
  • プロコーチとしてコーチングを2,000人以上に実施
  • 関わらせていただいた企業・組織は100社以上
  • リーダーシップの研修を15年以上実施

フィードバックは何のためにするのか

まず結論から行きたいと思います。
目的はいろいろ考えられるのですが、
コーチングにおける重要な目的を、
手前から並べていきたいと思います。

  1. 気づくこと
  2. パフォーマンスを改善・向上すること
  3. 成果を上げること

というわけで、
ひとつずつ解説していきます。

フィードバックの目的1:気づくこと

フィードバックの、
一番手前の目的は、
「相手が自分自身の状態に気づく」
ということです。

自分が何かの言動をしているときに、
自分で気づくこともあれば、
自分では気づけないこともたくさんあります。

例えばみなさんは、
自分の背中に、
どれくらいのほくろがあるかわかりますか?

例えばみなさんは、

今、自分の髪型が、
どのようになっているかわかりますか?

「鏡を見ればわかる」

そうですね。
でも鏡がなければ気づけません。

日々の自分の言動を、
すべて鏡に映していることは不可能です。

自分では気づけないことも、
周りの誰かだからこそ、
気づけることはたくさんあります。

コーチがすることは、
相手の言動について、
見えることについて情報を与えること。

その情報によって、
自分の状態に気づくということが、
まず起こしたいことです。

フィードバックの目的2:相手の成長やパフォーマンスの改善

目的というのは、
連なりがあります。

目的として設定したことは、
その先に目的を持っているということです。

気づくことが最終目的ということは、
ビジネスの世界や、
スポーツの世界でも、
ありえないわけです。

(学生であればあり得るかもしれませんが…)

自分の状態に気づいたら、
それを改善させていくということです。

例えば、
写真撮影などで、
こんな場面ありませんか?

「顔が少し左に曲がってますねぇ…」

ってカメラマンから指摘される。

自分ではまっすぐなつもりなんです。
でもカメラマンから見ると曲がっている。

「あ、首曲がってるんだ…」

って気づく。
そして、
左に曲がっているのであれば、
少し右に傾ければいい。

これがパフォーマンスの改善です。

写真撮影 スタジオ 女性

より良い状態になること。
また、
そのフィードバックを通じて、
相手が成長していくこと。

これが、
意識すべき、
最も重要なフィードバックの目的です。

フィードバックして、気づいたとしても、
相手の言動が何も変わらなければ、
まったく意味がないですからね。

フィードバックの目的3:組織成果の向上

上司=マネジメントをする人=組織成果に責任を持つ人。

という前提で話をすると、
部下へのフィードバックは、
相手のパフォーマンスを向上させるだけではなく、
組織成果の向上につなげていく必要があります。

「あたり前につながっているはず」
と思っているかもしれませんが、
案外そのつながりを意識している人は少ないかもしれません。

写真の例に例えれば、
パフォーマンスの向上は、

「首をまっすぐにすること」
でしたが、
当然ながらそれが最終目的ではなく、
「いい写真を撮ること」
が、その先にある目的ですから、
首をまっすぐにして満足をされては、
困るわけですね。

最終的にどこにつなげるのかを、
しっかりと意識(イメージ)することが、
より重要なことです。

無意識にすり替わりやすい3つの目的

上記のように、
目的を明確に意識してフィードバックすると、
相手も、
「自分のために言ってくれている」
と受け取りやすくなり、
互いの信頼関係も向上し、
相手の言動もより良くなっていきます。

しかし、意識できないと、
いつの間にか違う目的のために、
フィードバックを行うことになり、
相手が無用に傷ついたり、
相互の信頼関係に日々が入ったりします。

すり替わりやすい目的が、
以下の3つです。

  • 自分がスッキリする
  • 相手を凹ませる
  • いかに自分が正しいか(優秀か)を証明する

すり替わりやすい目的1:自分がスッキリする

相手が望ましくない言動をしていると、
自分の感情も揺さぶられます。

イライラするわけです。
そうすると、
そのイライラをなにかにぶつけたくなるのは、
人の反応として大いにあることであり、
またそれは、
とりわけ上司・部下の関係であれば、
その対象(部下)に向けられることが多いです。

ついつい声を荒げてしまったり、
厳しい表情になってしまったりします。

そのように伝えると、
その場ではスッキリして、
上司は満たされるわけですね。

すり替わりやすい目的2:相手を凹ませる

相手を傷つける、凹ませることが目的になることも、
非常に多くあります。

そして、
その目的を自分で持っていることに、
気づかないことが実に厄介なのですが…。

そんな攻撃的な目的を、
自分が持っているということを認めたくはないですしね。

しかし、
一時的にであっても、
相手を凹ませようとか、傷つけようという目的は、
働いてしまうことがあります。

特に、
フィードバックという行為は、
この目的とくっつきやすいものでもあります。

すり替わりやすい目的3:自分の正当性を証明する

上司には、プライドがあります。
これまでの経験もあります。

自分の考えや感じたことが、
いかに正しいかを証明したくなります。

または、
相手よりも自分の方が優れているということを、
証明したくなったりもします。

無意識に作用する目的

客観的に冷静に見れば、
マネジャーとして、上司として、
上げた3つの「すり替わりやすい目的」が、
いかに問題かがわかると思いますが、
これらの目的は実に無意識に発動します。

だからこそ、
最初に挙げたフィードバックの目的を、
強く意識することで、
自分自身に言い聞かせる必要があります。

今日のまとめ

本日は、
「フィードバックの目的」をまとめました。

どうしても人は、
「やり方」や「手順」などに、
より強い意識を向けるのですが、
目的がずれていた場合、
どんなに素晴らしいやり方を知っていたとしても、
それは何の役にも立ちません。

フィードバックの際に、
一番大事にされなければならないのは、
やはり相手のことです。

相手は、
「自分のことが尊重されている」
「大事にされている」
と思うからこそ、
そのフィードバックを受け取ります。

と思うと、
一番意識すべきは、
「目的2」
かもしれませんね。

以上のことを踏まえて、
次のテーマに移っていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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