目次
こんな方におすすめ
- コーチングや1on1をビジネスシーンで使いこなしたい
- コーチングや1on1をやっているがなかなかうまくいかない
- コーチングや1on1を導入したいと思っている
- 相手の考えをうまく引き出すことができない
この記事でわかること
- 未来質問/過去質問とは何か
- 未来質問の重要性
- 未来質問/過去質問の使い方
記事の信頼性
この記事の筆者は、
- PHP研究所認定ビジネスコーチ(上級)
- ビジネスコーチングは延べ2000人以上に実施
- コーチング研修の実施歴8年で200本以上実施
コーチングは未来をつくるもの
これはコーチングの大前提ですが、
コーチングというのは、
「未来」
を創るためのものであって、
「過去」
をほじくり返すためだけのものではありません。
コーチングの語源は、
「馬車」
と言われています。
馬車は現代風に言えばタクシー。
「お客さんどちらまで」
が、最初に確認することなわけです。
コーチングも一緒。
「お客さんどちらまで?」
と行き先、つまり望ましい未来を、
明確にするところからスタートするわけです。
すべてはこの「望ましい未来」につなげていくこと。
コーチは大前提として、
これを心に留めておく必要があります。
未来質問/過去質問とは
時制を切り口にすると、
未来質問と過去質問という、
質問の種類を使うことができます。
コーチングにおいては、
過去から学び、
未来を創る。
そのために、
この2つの質問を使い分ける必要があります。
未来質問
未来質問は、
読んで字のごとく、
「未来」のことを訊くための質問です。
- これから起こすこと
- これから起きるであろうこと
- つくりたい結果
など、
願望や予定などが、
訊く事柄となります。
過去質問
過去質問は、
こちらも読んで字のごとく、
「過去」のことを訊くための質問です。
- すでにあるもの
- 行動したこと
- 起きていること
- つくってきた結果
など
今、この瞬間を起点とした時に、
1秒前も含めて、
それはすべて過去になっていきます。
つまり、
「今(現在)」も含めて、
過去のものとして、
ここでは扱っていきます。
例えば、
「今どんな気持ちですか?」
って訊いたとして、
それはすでに起きていることですよね?
ということで、
「現在」も含めて、
過去質問です。
未来質問のやり方と一例
未来質問のやり方は、
「未来のことを質問」すれば、
それが未来質問です。
やり方は、
非常に簡単で、
これ以上言うことはありません。
そして、
質問の一例は、
山ほどあるわけですが、
その一例を挙げていきます。
- ビジョンはなんですか?
- 目標はなんですか?
- どんな人になりたいですか?
- どんな組織にしたいですか?
- 世の中ではどのようなことが起こり得ますか?
- 明日は何をしますか?
- 明日の天気はなんですか?
- 上司とどのような関係を築きたいですか?
- どのような場所に住みたいですか?
- どのような仕事をしたいですか?
など
切りがないので、
パッととりあえず思いついた10個です。
全部オープンクエスチョンを並べましたが、
当然ながら未来のクローズドクエスチョンもあります。
- やりたいですか?
- 素敵な人になりたいですか?
- 今の仕事を続けていきますか?
など
書きながら思いましたが、
未来のことを自由に想像/創造するというよりも、
今の気持ちを確認していくような感じになりますね。
そういう意味では、
本質は「現在」
つまり、過去質問になるのかなと思います。
過去質問の一例・やり方
さて、過去質問のやり方は、
こちらも、
過去のことを訊けば「過去質問」です。
こちらもいくつかの質問例を挙げてみます。
- 好きな○○はなんですか?
- 得意なことはなんですか?
- 今までで一番のチャレンジはなんですか?
- 失敗の体験で印象に残っていることはなんですか?
- 自分の人生に大きく影響を与えた人は誰ですか?
- その人はどのように影響を与えましたか?
- 何をしてきましたか?
- 達成したことはなんですか?
- 誇りに思えることはどのようなことがありますか?
- あなたの長所/短所はなんですか?
など
こちらもぱっと思いついた10個です。
相手が自分のこれまでや、
今考えていることを考える
重要な質問です。
また、
相手のことを知るためにも、
超重要な質問と言えます。
未来質問/過去質問を使う上での注意点
未来を考えるのは時間がかかる
未来のことを、
常日頃から考えているならともかく、
人の焦点はどうしても、
「今」のことや「過去」のことに当たりがち。
だから、
あまり将来のことなんて考えないわけです。
「自分は、
「ビジョン」や「目標」を設定するタイプではないんです」
なんて、
自分自身をそんなふうにタイプ分けしちゃっていることもあります。
そんな人たちが、
未来に焦点を当てて考え始めるのは、
それだけで時間がかかるわけです。
最初は、
「わかりません」
「考えたこともないです」
と答えが返ってくることも、
珍しくありません。
だからこそ、
問いかけることで、
「アンテナ」を立てていきます。
考え始めると、
情報収集が始まります。
日々の生活の中で、
「私はどうしたいんだろう…」
って頭が回転し始めるというわけです。
「未来」の質問は、
考えることや答えを出すことに時間がかかる。
また、
一度出した答えは、
「確定」ではありません。
じっくりつきあっていきましょう。
過去をほじくり返されると「責められている」と感じる
過去、
つまり、
これまでつくってきた結果やそのための行動。
その結果が素晴らしいものであれば、
気持ちいいことかもしれません。
しかし、
その結果が思わしくないものであれば、
直面することは辛いこととなります。
しかし、
自分にとって望ましい未来を創るためには、
時に、目を背けたくなるような過去に、
直面する必要があります。
しかし、
何のためにその過去を見つめるのかという、
「目的」を見失うと、
たちまちその行為は、
「きついもの」になるわけです。
何が言いたいかというと、
過去を扱うのは、あなたの未来を創るためなんだと、
本人も理解している必要があるし、
コーチも心から思っている必要があります。
大枠では、
「応援されている」
という感覚になることが重要なわけです。
今日のまとめ
本日は、
質問の種類3つ目、
「未来質問」と「過去質問」について、
解説してきました。
コーチングは未来をつくるためのもの。
これをしっかりと心に留めて、
過去を適切に整理し、
しっかりと学び、
未来をより良いように変容していく。
この舵取りを、
しっかりとしてあげましょう。