目次
今日のテーマ
コミュニケーションのほとんどを司るのが、
「無意識」
自分の知らないところで、
つまり無意識の領域で、
人はたくさんコミュニケーションをしている。
その無意識コミュニケーションを変化させることが、
人とうまくやるための一つの大きなポイント
無意識のコミュニケーションパターンを変える4ステップとは
1.気づくこと
2.意識すること
3.宣言すること
4.3ヶ月やること
詳細は最後に載せてあるので、
あーだこーだの説明が要らない人は、
飛ばしてください。
コミュニケーションの切り口
コミュニケーションの研修をたくさんやっている。
「コミュニケーション」と言っても、
切り口が山ほどある。
まずコミュニケーションと言えば、
「発信」と「受信」。
発信の仕方と言えば、
- プレゼンテーション
- >アサーティブコミュニケーション
- >プレゼン資料のつくり方
- >文書の書き方
- >非言語で伝える
などがあるし、
受信の仕方と言えば、
- >読み方
- >聴き方
- >訊き方
- >相手の心理を読み取る
などがある。
すべての人がコミュニケーションのベテラン
私たちは、すべての人がコミュニケーションのベテランだ。
うまいかどうかはわからないが、
間違いなくベテランだ。
生きてきただけ、
コミュニケーションをしている。
自分のやり方で発信したりしなかったり、
自分のやり方で受信したりしなかったり。
よくも悪くも、
自分のスタイルを持っている。
そして、
長年培ってきたコミュニケーションのパターンは、
だんだんと変えるのが難しくなってくる。
うまくいっていようがいまいが、
それはある意味自分にとっての「お気に入り」なのだ。
コミュニケーションに関する評価
そしてその自分のコミュニケーションパターンが、
人に影響を与え、
人から影響を受けている。
自分が思う通りに影響を与えることができたり、
他の人から評価されたりすれば、
「コミュニケーションうまい」
「コミュニケーション得意」
ということになるし、
逆に思い通りにならなければ、
「私はコミュニケーションが下手」
というようなラベルを自分に貼ることになる。
コミュニケーションはほとんどが無意識
ふとしたコミュニケーションを、
どれだけ意識しているだろうか。
せいぜい意識することと言えば、
「どんなこと話そうかな」と
使う言葉を意識的に選んだり、
そのロジックを考えたりするくらいかと思われる。
話をするときの、
自分の表情や姿勢、自分の口調はどうなっているのか、
とか
話を聴くときの、
自分の表情や姿勢、反応がどのようになっているのか、
なんて、
あまり意識しないのではないだろうか。
コミュニケーションのクセ
例えばこんな人がいるとしよう。
考え事をするときは、
腕組みをして、窓の外を見る。
というのが、いつもの「クセ」。
意識的にやっているわけではない。
そういうパターンになっている。
そんな人が誰かの話を聴いている。
真剣に聴いているし、興味もある。
それがゆえに、
考え事が始まり、
腕を組んで、
空想にふけって窓の外を見る。
という様子があったとする。
それが聴き手の様子であれば、
話し手は何を感じるだろうか。
・つまらないかな…
・「早く終わらないかな」って思っていそうだな
・自分のこと嫌いなのかな…
話し手は、発信と同時に受信する。
聴き手がどのように自分の話を聴いてくれているのか、
非常に気にしているわけだ。
しかし、
妄想は勝手に膨らむ。
聴き手としてはまったくそんなつもりないのに、
相手を不快にさせたり、不安にさせたりしてしまう。
聴き手は、
受信と同時に発信しているということも
自覚しなければならない。
無意識コミュニケーションの中で形成される人間関係
自分としては意図しないやり取りの中で、
勝手に人間関係が形成されていく。
この人好きとか得意とか、
この人嫌いとか苦手とか…。
人と円滑な人間関係を築いていくことは、
組織で仕事をするときはもちろん、
それが個人の仕事であったとしても、
対外的なやりとりはどこでも発生する。
自分のコミュニケーションのパターンにあぐらをかいたり、
私はコミュニケーション苦手だからとあきらめたりするのではなく、
そのパターンを変えていくことをチャレンジする必要がある。
無意識のコミュニケーションパターンを変える4ステップ
Step1:気づく
自分がどのようにやっているかに気づく。
気づかないと変えることはできない。
しかし、自分の当たり前のパターンに自分で気づくことは難しい。
最も簡単なやり方は、
人からフィードバック(指摘)をもらうこと。
自分ではわかっていなくても、
人から見えていることは山程ある。
職場の仲間や家族に、
自分のコミュニケーションがどうなっているのかを、
伝えてもらうようお願いするだけだ。
表情、口調、姿勢、
自分のコミュニケーションがより良くなっていくために、
直したほうがいいことを教えてくれといえばいい。
また、そういう意味では、
コミュニケーションの研修は有効だ。
ただのインプット(お勉強)ではなく、
演習がたくさんある研修に参加することがおすすめ。
Step2:意識する
これは簡単なこと。
変えようと思ったことを、日頃意識する。
つまり、
「よくうなずいて話を聴くぞ」
とか、
「人の話を聴くときは相手の目を見るぞ」
とか。
つまり、変えるパターンを決めること。
決めること自体は難しくないのだが、
難しいのは、「古いパターン」が簡単に顔を出すということ。
自分ではやろうと思っても、なかなかできない。
だから、
意識しつづけてやり続けることが大切。
ただし、
同時に意識できることは、
人間そんなに多くない。
意識することは、
せいぜい3つくらいがおすすめ。
Step3:宣言すること
変えると決めたことを、周りの人に宣言する。
「自分のコミュニケーションパターンをこのように変えます」
ということだ。
このことにより、
意識付けが強化されるとともに、
人から指摘がもらえる。
自分ではやっているつもりでも、
周りから見るとそう見えないことがある。
Step4:3ヶ月続けること
習慣形成に必要な期間が、このくらいと言われている。
もともと持っていた強烈なパターンが、
新たなパターンに書き換わっていくための、
必要最小限の時間。
きょうのまとめ
自分ではそんなつもりがまったくないのに、
人を不快にさせてしまうとか、
自分が伝えたいことが全く伝わらないとか、
コミュニケーションはなかなか難しい。
しかし、
あらゆる社会活動は、
ほとんどの場面において、
コミュニケーションがつきまとう。
一生やらなきゃいけないなら、
また、それをうまくやりたいのなら、
やはり磨き続けていかねばならない。
ひとつの有効なやりかたは、
無意識のコミュニケーションパターンを変えること。
かくいう私も、
変えねばならないコミュニケーションパターンが、
まだまだたくさんある。