コーチングとは、プレーヤーが望む状態を手にするために支援するコミュニケーションのこと。そして、キャリアコーチングとは大きく言えばどのような人生にしたいのか。それを描き、実現していくためのプランをつくる。ビジネスの世界で用いられる小さな意味は、仕事において、どのような経歴を積んでいくのか。これを描くことだ。
最近の企業動きのひとつに、社員のキャリアプランを支援して、仕事のやりがいに結びつけようという取り組みが多く見受けられる。というわけで、そのキャリアの実現を支援するために有効な手段である「キャリアコーチング」について、何回かに分けて紐解いていこうと思う。
キャリアとは
まずは恒例だけれど、辞書の意味から。
広辞苑第六版(岩波書店)より引用
キャリア【career】
①(職業・生涯の)経歴。
②専門的技能を要する職業についていること。
③国家公務員試験1種(上級甲)合格者で、本庁に採用されている者の俗称。
コウビルド英英辞典より引用
① A career is the job or profession that someone does for a long period of their life.
② Your career is the part of your life that you spend working.
③ Careers advice or guidance in British English, or career advice or guidance in American English, consists of information about different jobs and help with deciding what kind of job you want to do.
④ If a person or vehicle careers somewhere, they move fast and in an uncontrolled way.
一言で言えば、「経歴」。
キャリアについて考えること2つ
簡単にお伝えすると、キャリアについては以下の2つを考える必要がある。
過去のキャリアを扱う
「どのような経歴を積み上げてきているのか」
身につけてきた知識、能力、技術、スキル、人間性、長所や強み、経験、成功体験や失敗体験、人とのつながりなど、自分がどのような力をつけてきているのかを確認していく。積み上げた力は、これから先自分が望むキャリアを積み上げていくための材料となる。
未来のキャリアを描く
未来のことなら、「どのような経歴を積み上げていくのか」
どのような人生を望んでいるのか。何をしたいのか。何を手に入れたいのか。未来のある時点における望む状態を描くこと。1点でもいいし、たくさんあってもいい。描く内容は、仕事のこともあれば、家族のこともあれば、趣味のこともある。幅広くさまざまなことに思いを馳せる。
そして、その描いた時点に向けて、具体的にどのようにたどり着くのかを描くのが、キャリアプランの作成。いつから始めていつまでに何をどのように誰と一緒にやるのか。具体的に決めていく。
今日のまとめ
今日は「キャリア」と「キャリアについて考える」ことの概要をお伝えした。明日以降の記事で、キャリアコーチングについて具体的に書いていこうと思う。
キャリアをひとりで描くことは難しい。「自分はキャリアを描く『タイプ』ではない」と決めてしまっている人もいる。そしてそうした理由もいくつか考えられる。そのようなことも紹介しながら、キャリアを描くことの有用性・有効性をお伝えできればと思う。