こんな方におすすめ

  • コーチングとは何なのかを知りたい
  • 組織でコーチングにふれることが増えてきた
  • 人材育成をする立場にある

この記事を読んでわかること

  • コーチングとは何か
  • コーチングの考え方
  • コーチの関わり方、スタンス

記事の信頼性

  • コーチング歴15年(2006年〜)
  • コーチング実績 延べ3000人以上
  • コーチングに関する研修を200本以上実施
  • PHP研究所認定ビジネスコーチ(上級)

バスケットボールコーチ

辞書に書かれている「コーチング」

そもそもコーチングとは何か。

「coach」を英和辞典で調べると、
以下のように記述されている。

<名詞>
1.コーチ、指導者(trainer)、監督(manager)
2.エコノミークラス、普通席
3.指導員、家庭教師
4.(四輪)大型馬車
5.長距離[観光]バス
6.客車
7.おとりの牛
8.コーチ

<他動詞>
1.を指導する、コーチする;の家庭教師をする;を訓練する;のコーチを務める
2.に指示を与える、入れ知恵をする

<自動詞>
1.コーチをする、指導をする
2.馬車で行く

※ウィズダム英和辞典 第2版(三省堂)より引用

コーチングの語源

「Coach」という言葉をいろいろと調べていくと、
「馬車」に由来しているようだ。

ハンガリーにあるコチ[Kocs]という町で、
1500年代に製造されていた、
当時としては画期的な、「サスペンション」を搭載した、
乗り心地の良い四輪馬車。

コチで製造された優れた馬車をそのまま、
村の名前で表現されるようになった。

馬車というのは、
大切なお客さんを目的地まで運ぶ優れた道具。

現代であれば「タクシー」にであろうか…。

コーチの最初の役割

タクシードライバーが最初に訊かねばならないこと。
それは、
「お客さんどちらまで?」
ということ。

そして、タクシードライバーであれば、お客さんが望む目的地に向けて、
最速で到着するように、タクシーと運転技術とを駆使し、
最適な道を選びながら、お客様をお連れする。

馬車(coach)

まずは目的地を明確にすること

つまり、
コーチがすべきことというのは、
「ビジョン」や「目標」、
つまり、相手の「目的地」、
「相手が望んでいる状態」を明確にすること。

これが、
なかなかタクシーのようには行かない。

自分の行き先があいまいでぼんやりしている人は多い。
自分の望んでいる状態を、
忘れていたり、描いていなかったりする。

どうしたら目的地にたどり着けるかを一緒に考える

明確になりさえすれば、
あとは「どう行くか」である。

プレーヤーは、目の前のことに一生懸命になる。
それゆえに、
よく「目的地」を見失う。

その目的地を示し続け、
どうやればやれるかを考える支援をし、
モチベートし続ける。

これが、
目的地にたどり着くまで続く、コーチの役割。

コーチングとスポーツ

やはりコーチといえば、
「スポーツ」の世界をイメージする人は多いだろう。
スポーツの世界は、コーチがたくさん存在する。

日本では「監督」と「コーチ」が分けられて、
監督はチーム(現場)の統括を行う存在として扱われることが多い。

ラグビーや海外では、
「監督」は「ヘッドコーチ」と称される。

日本で言う「監督」という存在は、
ヘッドコーチ的な役割であるように思う。

海外で「監督」は、
manager(マネジャー)という扱いになる。

最近では日本のプロ野球チームでも、
General Managed(ゼネラルマネジャー)というポジションをつくり、
現場ではなく、
チームの編成などのマネジメントを、請け負っている。

まあ、ここで何がいいたいかと言うと、
日本のスポーツチームにおける「監督」という存在は、
やはり「コーチ」であるということ。

スポーツの世界でのコーチの役割は、
選手の能力やパフォーマンスを、
最大限に引き出していくこと。

それはさらに何のためかと言えば、
勝つことであり、
優勝などの、チームや個人として掲げた、
「目標達成」のためということになる。

スポーツの世界はわかりやすいイメージがあるが、
これはビジネスの世界出会っても、
コーチがサポートすることは、
あまり変わらないと言えよう。

ティーチングとの対比によって区別されるコーチングとは

辞書の意味を調べると、
コーチングの中には、
「指導」という言葉が含まれているし、
実際にスポーツの世界でも、
コーチは指導を行う。

つまり、
コーチは「ティーチング」も行っている。

しかし、
「コーチング」
という言葉は、ティーチングとの対比によって、
区別される言葉でもある。

その時の「コーチング」とは、
「指導」ではなく、
「引き出す」
つまり、相手に考えさせて、
発言・表現させるということになる。

ティーチングとは

「ティーチング」というのは、
答えを与えること。

コーチが考えてコーチが伝えて、
正しい知識ややり方、手順などを示し、
そのとおりにやらせてみること。

ティーチングに対するコーチングとは

「コーチング」というのは、
答えを自分で導き出すこと。

選手、つまり相手が自分で考えて、
自分でやり方を選び、
自分が考えた手順に従ってやってみる。

その物事について、考える主体が違う。
また、その発信源が違うということになる。

コーチは”teach”と”coach”を使い分ける

実際には、
コーチと言う存在は、
この両方を扱うことができて、
相手や周りの状態を考え、
適切に使い分けることができることが求められる。

コーチングの役割は主体性を生み出し続けること

コーチングの本質は、
「お客さんどちらまで」
つまり、相手やプレーヤーが望む方向に進んでいくことを手助けする。

運転手やコーチが勝手に目的地やゴールを決めない。

サポートする側が目的地やゴールを決めたり、
それを押しつけたりするようなことがあれば、
それは「やらされ感」になり、

受け身、
指示待ち、
被害者意識、
アウトサイドイン、

といった、
現代では組織に望まれない意識を生みやすくなる。

「お客さんどちらまで?」

あくまでも相手が持っている希望に興味関心をもつという、
コーチのスタンス、意識、姿勢。

これがはじめの一歩ということになる。

「コーチングとは」まとめ

改めてコーチングとは、
チームや個人の勝利や成果のために、
選手のパフォーマンスを最大化する支援をすること。

そして、相手やプレーヤーがすることは、
自分で考えて
自分で選んで(決めて)
自分で行動して
自分で生み出した結果を、
自分で振り返り、
自分でその結果に責任をとっていく。

そして、わかっていたとしても、
ひとりでこのプロセスを歩むことには限界がある。
すべてのプロセスにハードルがあるのだ。

だからコーチは、
そのプロセスを支援していく。

コーチのさまざまな知識、知恵、道具を使って、
クライアント、プレーヤーが適切に、

考えられるよう、
選択して決められるよう、
行動に移して継続するよう、
結果をつくれるよう、
創った結果を適切に振り替えれるよう、

サポート、支援をしていくのが、コーチングのプロセスである。

どのようなハードルがあるのか。
それをどのように支援するのかは、
また次回のブログにて・・・。

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