先日、
1on1 ミーティング とは

というタイトルでブログを書きました。

1on1 ミーティング とは

↑是非こちらもご覧ください。

1on1とは、

  • 目的が設定され共有されている
  • 定期的で実施頻度が高い
  • 意識的な対等性がある
  • テーマは目的に沿って自由に設定

という形で定義させていただいたわけですが、
それぞれどういうことなのかを詳しく解説していきます。

この記事を読んでわかること

  • 1on1 ミーティングとはどのようなものなのか
  • 面談とは何が違うのか

こんな方におすすめ

  • 1on1 を実施している方
  • 1on1 を実施しているが理解していない方
  • 1on1 を実施する予定のある方
  • 1on1 導入を検討している責任者の方

この記事の信頼性

記事執筆者の半谷知也(はんがいともなり)は

  • プロ講師として企業研修を1,000日以上実施
  • プロコーチとしてコーチングを2,000人以上に実施
  • 関わらせていただいた企業・組織は100社以上
  • リーダーシップの研修を15年以上実施

1on1 に関わる人の言葉の定義

本ブログやyoutubeにおいて、
1on1に関わる人を以下のとおり表現します。

1on1リーダー(リーダー) = マネジャー、上司、指導員、メンターなどの立場

1on1メンバー(メンバー) = メンバー、部下、被指導員、メンティ

1on1 ミーティング の 定義

1on1ミーティングを実施する上で、
以下の4つのポイントを押さえるがあります。

  • 目的が設定され共有されている
  • 定期的で実施頻度が高い
  • 意識的な対等性がある
  • テーマは目的に沿って自由に設定

ではひとつひとつを見ていきましょう。

1on1 ミーティング の 目的 が共有されている

1on1 ミーティング というのは、
前述のとおり、
1対1のミーティングであれば、
どのような形式でもできてしまうものでもあります。

したがって、
その目的を明確にしていないと、
1on1 リーダー も、
どのようにリードしていいのかわからないし、
1on1 メンバー も、
何を話せばいいのか、
どのようにこの機会を使ってよいのかが、
わからなくなります。

1on1の目的は明確に設定した上で、
その参加者にははっきりとその目的を共有する必要があります。

目的の設定については、
別のブログで詳しくお伝えしていますので、
是非そちらをご覧ください。

1on1 ミーティングは何のためにやるのか〜

1on1 の大きな目的と小さな目的

1on1 ミーティング においては、

そもそも仕組みとしての目的が必要です。

何のために、
この1on1 ミーティングという機会をつくるのか。

ある組織において、

  • 何のために
  • どういう方向性で
  • どのような効果を期待して

などを設定する。

これが「大きな目的」

そして、その大きな目的に沿って、
1on1 ミーティング を実施するたびに、
目的が明確にされる必要があります。

「今日は、この 1on1 という時間をどういう時間にするのか?」

の設定が必要。

これによって、
1on1 リーダーは、
何を目指し、
このように関わり、

どのようなサポートをすればいいのかが明確になるし、

1on1 メンバーは、
自分にとってどのような時間にするのかが明確になり、
その時間を主体的に進めることができる。

1on1 は定期的で実施頻度が高い

定期的で実施頻度が高いというのも、
人の解釈に委ねられる部分ですから、
何が正解というものは実はありません。

一般的な企業や組織における面談は、
どのくらいの頻度や時間でされているでしょうか。

私がこれまで研修などでヒアリングをしてきた限りでは、
半年に1度、15〜30分程度の面談というのが、
非常に多く聞かれた答えでした。

これは、
定期的ではあるけど、頻度が少ないということです。

日本の企業において、
1on1 ミーティング の仕組みを導入いただく際には、
1ヶ月に1〜2回の頻度をおすすめしています。

結果、導入段階としては、
1ヶ月に1回程度でスタートしていく企業/組織が多いです。

1on1 を定期的に頻度高くやることの意義

主に3つ。

  • コミュニケーション量の確実な確保
  • メンタルの変化を掴みやすい
  • PDCAを確実に回す

コミュニケーション量の確実な確保

昨今では、リモートワークが常態化している企業もあり、
リーダーとメンバーおよびメンバー同士でも、
コミュニケーションの量が確保しづらい。

コミュニケーションの効果性は、
コミュニケーションの質×量によって決まる。

コミュニケーション自体が企業活動の目的になることはないが、
適切なコミュニケーションによる相互理解や、
信頼関係の構築は、
組織的な目標達成をする上で非常に重要。

メンタルの変化を掴みやすい

メンバーは、
仕事面でもそれ以外でも、
さまざまなメンタルの浮き沈みを体験する。

話を聴いてほしい時に、
あるいは、話をしたい時に、
タイムリーに話ができるというのは非常に重要。

ネガティブな話を、
自分の中に抑え込むのではなくて、
自分の外側に出せるというのは、
メンタル的に健全な状態を保つ上で重要。

ネガティブな状態が続けば続くほど、
パフォーマンスの低下につながるのは、
想像に難しくないだろう。

ネガティブな何かがあるのであれば、
早めに吐き出させるに越したことはない。

PDCAを確実に回す

PDCAをしっかり回せている人は、
どのような階層でもかなり少ない。

新人や若手であればなおさら。

例えば半年に一度のサポートになれば、
その半年間は、
「PDCAは勝手に回してね」

という状態になる。

しかし、
1ヶ月に1回の1on1 ミーティング ができるのであれば、
1ヶ月のプランを一緒にやって、
それを徹底的に回す。

必要に応じて、
タイムリーな修正ができる。

これにより、
PDCAを回すという習慣形成も可能になる。

相手の状態によって 1on1 の実施頻度は違う

考慮すべきことは、相手の…、

  • 成長度合い
  • 仕事の状況
  • 家庭などプライベートの状況
  • メンタルの状況
  • 平常時のコミュニケーション量

例えば、
相手がすでに十分自立/自律していて、
かつ、平常時にコミュニケーションが十分に取れている、
ということであれば、
1on1という機会をそれほど多く設けなくても、
問題ないかもしれません。

あるいは、互いの信頼関係や組織の状況に応じて、
頻度や時間を変えるということもありえます。

お互いにとって、
今の状況下で、
どのくらいの時間のコミュニケーションが必要なのかは、

日頃コミュニケーションを取れていれば 1on1 は必要ない?

そうかもしれません。

でも…、

「本当にそうだろうか?」

という視点を持っておいてほしいのです。

親しい間柄こそ、緩みが生まれます。

「私たちは大丈夫」
「私たちは大丈夫と思いたい」

といった考えから、
大事なことが放置されてしまうということがあります。

1on1ミーティングの重要な目的は、
1on1リーダーのパフォーマンスを最大化していくことです。

職場における1on1なので、
仕事のパフォーマンスを最大化することに焦点は当たりますが、
仕事とプライベートは切っても切り離せない部分があります。

家庭のさまざまな事情によって、
仕事のモチベーションが上がらない。

仕事であった嫌なことを、
家庭に持ち込んでしまう。

それぞれあると思います。

仕事だけではなく、
人生全般のクオリティを上げていくために、
1on1を活用していただければと思います。

1on1 では意識的な対等性がある

1on1 においては、
多くの場合、対等な関係性があることが理想的です。

ここで言う対等とは、
馴れ馴れしくするとか、
タメ口で話すとか、
そういうことではありません。

ひとことで言えば、
メンバーを100%受容し、尊重することです。

受容するというのは、
相手の考えや価値観などを、
頭ごなしに否定したり批判せず、
まずは理解に努めるということ。

尊重するというのは、
相手の考えや世界観を、
大切にするということです。

それに合わせるということではありません。

組織的な上下関係は存在する

組織というのは、
多くの場合、階層的な上下関係が存在します。

そうでない組織も増えてきていますが、
少なくとも、マネジャーがいて、メンバーがいてという、
「役割」違いの中で、
意識的な上下関係が生まれます。

また、
1on1 ミーティング は、
そのような関係性で行われることが大半でうs.

ここでお伝えしたいのは、
そういう階層的な上下関係をなくしましょうという話ではありません。

1on1 で上下関係の意識が強くなると、例えば、

  • 教えてあげなければならない
  • いいアドバイスをしなければならない
  • 評価や判断を下してしまう
  • 相手の気になるところを指摘する

といった考えが、ついつい顔を出します。

時に、このような関わり方は必要なのですが、
あくまでも「時に」です。

これがスタンダードな関わり方になると、
メンバーは 1on1 に取り組む姿勢が、
どうしても「受け身」になります。

つまり、
主体性の低い状態になったり、
1on1 に対するモチベーションが低い状態になったりします。

1on1 リーダーの役割は伴走者

1on1 で基本的に求められるスタンスは、
「共にいる」

というスタンスです。

  • 話を聴いてもらえる
  • わかってもらえる
  • 理解してくれる
  • 自分で考えさせてくれる

という感覚が、
短期的にも長期的にも生まれていくことが必要です。

1on1で狙いたいことの一つは、
自立/自律をしていくことです。

上下関係をつくり続けると、
依存の状態を生み出していきます。

依存状態を作り続けることのメリット

リーダーは、
「メンバーを自立/成長させなければ」
といいながらも、
無意識の中では、
「自律/成長されると困る」

と思っている人もいます。

多くの人は気づいていませんし認めませんが…。

例えば、

  • マウントを取り続けたい
  • 自分の方が優秀であることを示したい
  • 自分より活躍/出世されると困る
  • 自分の存在価値がなくなる(気がする)

といったことが、
無意識の頭の中で起きることがあります。

依存されるのは…、

手がかかる。

面倒だ。

厄介だ。

と思いながらも、
実は、メンバーの自立が怖いということです。

もしそういうことが、
「確かにあるかも」

と自覚できる人は、
その意識から変えていく必要があります。

こういうの認めることは、
勇気が必要なんですけどね…。

まずは認めること、
そして、意識を変えること。

そうしなければ、
決して相手を本気で「育てよう」とは思いませんから。

テーマは目的に沿って自由に設定

1on1 の テーマ には正解はありません。

つまり何を話してもOK。

それゆえに、
「何を話せばいいのかわからない」

といった 1on1 リーダー の悩みもよく耳にします。

大切なことは、やはり目的。

組織的な目的は何なのか?

1on1 リーダー の目的は何なのか?

1on1 メンバー の目的は何なのか?

それぞれが明確になっていること。

そして、これらが一貫していることが、
まずは大前提になります。

1on1 のテーマ設定で意識すべきこと

大きな流れとして、
「 1on1 をどのような機会にしたいのか」

そして、
「今日の 1on1 をどのような機会にしたいのか」

この2つを考慮した上で、
その日のテーマを設定していきます。

テーマは前提として、
「1on1 メンバー が何をテーマにしたいのか?」

を引き出す必要はある。

でも毎回メンバーのニーズだけを満たす必要はない。

リーダー が共有したいことがあれば、
優先順位を考慮して、
そのテーマで1on1を実施することを提案したらいい。

テーマの設定については、
以下のブログでも詳しくお伝えしているので、
是非ご覧ください。

1on1ミーティングが楽しくなるテーマの選び方 〜7つの切り口〜

今日のまとめ

本日は、
世の中で展開されている 1on1 ミーティング について、
解説させていただきました。

1対1のコミュニケーションとしては、
日本の文化としては、「面談」というものが馴染みがあると思いますが、
1on1は面談とは多くの場合違います。

やり方、考え方、仕組み、そして双方の意識。

1on1 ミーティング の効果を出していくためには、
整えていく必要があります。

必要なポイントを抑えて、
是非効果的で、
メンバー、リーダー、組織と、
三方良しになるような仕組みにしていただければと思います。

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