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行き当たりばったりの1年を送るのも悪くないしそれなりに楽しいかもしれない。しかし、ちょっと考えてみるのも悪くない。2020年の今頃、どんなことが手に入っていたり、前進していたりすると、「おぉ、1年頑張ったな」とか「お、私の人生は前進している」という実感を持つことができるだろうか。
ビジョンや目標を設定するのが苦手な日本人
これは「キャリア」のお話しとも蜜に関わることなので、またお伝えすることになると思うが、具体的なビジョンや目標を持っている人は結構少ない。私が研修や講演会などで、「将来や年間の目標を持っている人」って訊くと、手を上げるのは1割もいない。会話を深めていくと、ビジョンを描くことに何らかの苦手意識を持っている。よくよく考えれば「苦手」なのは当たり前の話なんだけど…。
ビジョンを描く「タイプ」ではないという勘違い
「私はビジョンを描く『タイプ』ではない」なんて、自分を何らかの型にはめちゃったりしている。つまり「私は、目の前のことをコツコツ積み上げていく「タイプ」の人間だ」って言う。この言葉の裏側には「生まれつきそうなの」って言うメッセージさえ見え隠れする。でもこれは勘違い。こんなのにタイプもクソもない。長い時間を掛けて、自分をそういうタイプって思い込ませてきただけ。
ビジョンを描くために必要な3つのこと
その1:考える
ビジョンを思い浮かべたり、「どんな人生だったらいいかなぁ…」って思いを馳せる時間が必要だ。最近ニュース(というか朝のワイドショー)を見ていたら、フィギュアスケートグランプリファイナルで優勝した「ネイサン・チェン」と「羽生結弦」のルーティンの違いを紹介していた。その中でひとつ面白かったエピソード。ネイサン・チェンは帰宅してからの30分で必ずすることがあるという。それは「人生について考えること」。1日30分。1ヶ月900分(15時間)。年間10,950分(182.5時間≒7.6日)。
驚くことに、年間の丸7日以上は、人生について考える時間を創っていることになる。
考える習慣を創っている。みなさんはどうだろうか。未来でも過去でも、自分の人生に思いを馳せることがどれだけあるだろうか。
ビジョンは考えない限り浮かばない。いつまで経っても「いやー、私ビジョンとか夢とかないんです…」って答えしか出てこない。これは当たり前。
自分の頭の中で考えることで、整理整頓されたり、形作られてきたり、色がついてきたりする。このプロセスを歩む必要がある。
考えることのデメリット1.面倒くさい
今まで考えたことないようなことや、答えが出ないようなことを考えるのは、はっきり言って面倒くさい。今まで動かしてこなかった体を使うのと同じように、今まで動かさなかった思考回路を動かす必要がある。考えるのは疲れるのだ。しかもなかなかうまくできない。
考えることのデメリット2.自分の経験のみがインプット
つまり過去の情報だけがビジョンを描くためのインプットになる。広がりが生まれないからつまらない。
その2:出会う
自分の思考の枠は拡げるといい。そのためには、さまざまな出会いが必要不可欠。人と出会う、出来事と出会う、情報と出会う。出会いによって、自分のビジョンのインプットとなる。
その3:伝える
描いたビジョンは、口にしてみることがポイント。「こういうことしてみたい」「こういう人になりたい」。最終形とか正解を口にする必要はない。そもそもビジョンなんて、形を変えていく。話しながら、あーでもない、こーでもないってあっちこっち行きながら、形を整えていく。
また、自分が話すと他の人も話す(ということもある)。それはその2の出会いと重なるわけだが、そうやってお互いのビジョンの参考・材料になる。
あるいは、アドバイスを貰えるかもしれない。さらには、その人がビジョン実現の協力者になるかもしれない。人に伝えることはメリットがたくさんある。
ビジョンや目標を設定するのが苦手な理由いくつか
その1:面倒くさい
これは前述のとおり。今まで考えたことないことを考えるのは単純に面倒である。人と出会うのも面倒。そして伝えるのも面倒。ビジョンを描き、形作っていくためのプロセスはすべて「面倒」が伴う。
その2:馬鹿にされた
「人間誰しも」とは言わないけれど、人生のどこかの場面で、自分のやりたいことや夢を話して、それを拒絶されたり、否定されたりした体験を持っている。せっかく思い浮かんだ自分の夢を拒絶されると、「もう考えるのやめよう」とか「もう人に話すのやめよう」って決断をしてしまう。拒絶されるくらいなら、考えないほうがいい、伝えないほうがいいという、至極単純で当然の論理だ。
その3:人との比較
どうしても人は他の人と比較する。あの人に比べたら、自分の夢なんて大したことないし…。自分の夢なんて恥ずかしい…。比較によって、自分の夢が傷ついていく。考え方はネガティブになるので、どうしても苦手意識が強くなっていく。
今日のまとめ
なんと言っても、考え始めることが大切。寝る前5分でもいい。湯船に使って5分でもいい。どんな人生だったら楽しいかな…。自分は何に喜ぶんだろうな…。想像しながら、ビジョンを創造していく。これをやり続けていったら、1年後はすごくビジョンが鮮明になっていたり、あるいは今までとはまったく違うことに興味関心が向いていたり、人生により「やりがい」を持って日常生活を送っていたりするかもしれない。
次回は、年間目標の設定に関することを書いてみようと思います。みなさん、2020年の目標は立てましたか?