コーチングが効果を発揮するためには、
「ラポール」
つまり「信頼関係」重要不可欠

これからのブログにおいて、
コーチングを実施する上で必要となる、
そして多くの人が興味を持つ、
「コーチングスキル」について紹介していくことになるが、
前述のとおり、
「ラポール」がなければ、
コーチングは全く機能しないため、
まずはこのラポールづくりについて、
しっかりとお伝えしてまいります。

ラポール01

こんな方におすすめ

  • 自分がマネジャーや指導員などの役割を担っている
  • コーチングについて正しい知識を知りたい
  • コーチングや1on1をやっているがうまくいかない
  • 自分の指導法に課題を感じている
  • 思うように部下/メンバーが育たないと感じている

この記事を読んでわかること

  • コーチングにおけるラポールの重要性
  • 基本的なラポール形成に必要な関わり
  • 人はどんな人を信頼するのか/しないのか
  • ラポールづくりとコーチングスキルの関係

コーチングスキルの基本:「ラポール」とは

「ラポール」というのは、
信頼関係のこと。

「ならば『信頼関係』って言えばいいじゃないか」
という声が聞こえそうだけれども、
ラポールというのは、
コーチングやカウンセリングの用語で、
よく用いられる言葉なので、
この機会に覚えておいてほしい。

例えば、

  • ラポールを築く/構築する
  • ラポールを形成する
  • ラポールが壊れる
  • ラポールが失われる

のように使われる

コーチングになぜラポールが必要なのか

これは至ってシンプル。

コーチングというのは、
ラポールがなければ、
・自分のこと話してくれない
・話してくれたとしても本音ではない
・質問に答えてくれない
→本来扱うべきテーマや課題が出てこない

→表面的なコーチングとなる

ということになる

コーチングはラポールの上に成り立つ

コーチのあり方とラポール

コーチの考え方や、
相手に対する姿勢が適切であれば、
ラポールは形成される。

相手を尊重、信頼し、
関心を向け、
一貫性を保つ…。

コーチのあり方に関する詳しい記事は、
こちらの記事をどうぞ↓

一流のコーチは技術だけではない!コーチングを成功に導く5つのあり方

意識は言動に強く影響する。
テクニックとして何をするかの前に、
自分の心を整えることが重要。

前述のブログには詳細に書いてあるが、
シンプルに言えば、
「心から相手を大切に思えば、ラポールは築ける」

「Trust me!」
って表面的に言っても無理…。
深層の意識はいずれバレる。

ラポール02

コーチングスキルとラポール

コーチングで使用する以下のスキルは、
すべて信頼関係と密接に関係する。

  • ペーシング
  • 傾聴
  • 質問
  • 承認
  • フィードバック

それぞれのスキルの詳細については、
ひとつひとつ別記事で紹介していくが、
ここでは、スキルとラポールの関係にのみ触れる。

コーチはこれらのスキルを駆使して、
相手のパフォーマンスを高める支援をする。

ラポールをしっかり築いて、
スキルが効果を発揮する状態にしなければならない。

ペーシングとラポールの関係

ペーシングとは、
簡単に書くと、
相手にペースを合わせること。

「ペースが合う」
ということは、
波長が合う、親しみやすい、
などの感覚を相手に与えることができる。

「なんか合う」
という感覚は、
ラポール(信頼関係)を構築する上で、
非常にわかりやすいだろう。

みなさんも、
「なんかこの人合う…」
という人に対しては、
心を開きやすいのではないだろうか。

コーチングでは、
意図的にこのペーシングを使い、
相手のペースに合わせることで、
ラポールを構築していく。

傾聴とラポールの関係

傾聴というのは、
よく聴くことだが、
話を理解するだけではなく、
話し手が、
「この人は話を聴いてくれている」
「関心を向けてくれている」
「自分のことをわかってくれている」
ということが重要。

自分を理解してくれたり、
関心をわかりやすく向けてくれたりする人に対して、
人は心を開く。

わかりやすく傾聴することで、
ラポールを築く。

「質問」とラポールの関係

訊いてほしいことを訊かれると、
人は心を開く。

話したくないことを訊かれると、
人は心を閉ざす。

「支援」や「応援」を感じる質問をされると、
人は心を開く。

「攻撃」や「責め」を感じる質問をされると、
人は心を閉ざす。

基本的に「質問」というのは、
人にとってストレスであることが多い。

どのように質問するかによって、
ラポールが形成されたり、
ラポールが壊れたりする。

また、
基本的なラポールがあれば、
どのような質問も受け入れられる。
つまり、
「この人から訊かれたことには、
誠実に答えよう」
という意識が生まれる。

逆に、
基本的なラポールがないと、
「なぜこの人の質問に答えねばならないのか…」
という意識が生まれる。

ラポールがあれば、
どのような質問であったとしても、
質問に答えてもらえる可能性が上がり、
ラポールがないと、
どのような質問であったとしても、
質問に答えてもらえる可能性は下がる。

「承認」とラポールの関係

承認というのは、
認めること。

あるものをあると認める。(存在)
したことをしたと認める。(行動)
できたことをできたと認める。(結果)

「褒める」ということとは、
若干感覚が異なるのだけれど、
その表現はわかりやすいかもしれない。

いずれにせよ、
相手からすると、
自分のプラスの側面を、
しっかりと見てくれている、
わかってくれている、
ということになる。

自分のことを認めてくれる人に対する、
信頼を高めるというのは、
わかりやすいことなのではないだろうか。

「フィードバック」とラポールの関係

こちらは、承認の裏返し。
どちらかというと、
至らぬ点を指摘する。

改善点のフィードバックだ。

耳に痛いことというのは、
伝えられることを拒否したくなるものだが、
ラポールがあれば受け入れられる。

「この人が言う事ならば、
しっかり聴かなければ…」
ということ。

また、
適切なフィードバックというのは、
された時にラポールを強化することにもつながる。

「自分に関心を向け、
正しく見てくれている」

ということがわかるからだ。

ラポールがあるからフィードバックが刺さるし、
適切なフィードバックがラポールを築く。

ラポールは日常的に構築するもの

私たちプロコーチは、
コーチングセッションの時にお邪魔したり、
まあ今はオンラインセッションをしたりと、
かなり限定的な時間の中で、
ラポールを構築していく。

だから、
ある意味その時間の中で、
精一杯ラポールを構築していく関わりをする必要がある。
逆に言えば、
その時間だけ頑張ればいい。
その時間しか頑張れない。

しかし、
コーチングが必要なマネジャーや指導者多くは、
日常的な関わりがものを言う。

コーチングセッションの時間だけ頑張っても、
日頃の関わりがひどければ、
ラポールは築かれない。

その時間だけ頑張ってもダメ。
逆に言えば、
ラポールを構築するチャンスも、
壊すリスクも、
日常的に溢れている。

だからこそ、日常的なコミュニケーションにおいて、
やはり相手を心から尊重し、信頼しながら、
関わり続けなければならない。

ラポール03

今日のまとめ:ラポールの基本は相互理解から

信頼というのは、
結局のところ「相互理解」に尽きると思う。

そして、
その理解したところから、
相手の世界観や意見を尊重すること。

最大限、
相手の望みや世界観を応援する。

ラポール04

もちろん、
こちらの信念に著しく反するようなものは、
応援できないこともあるだろう。

それはそれ。

そして、
ときには、こちらの世界観に引き込む、巻き込む。

自分が相手を理解していると、
相手も理解してくれやすくなる。

こちらから誠心誠意相手を大事にしながら、
ラポールを大きく築いていきましょう。

そうすれば、
いろいろが円滑に進みやすくなります。

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