理念の2つめの要素はビジョン。

理念におけるビジョン(Vision)とは

ビジョンは、「Visual」なので、目に見えるものであるということ。そして理念にビジョンというのは、その組織が創り出す状態のこと。

組織の使命を全うし続けていく結果、基本的にはその外側に何を創り出していくのかを定義することだ。
世の中をこういう状態にする。人がこういう状態になる。地域が…。世界が…。その組織の存在の周りにどのような影響を与えているのかを、視覚的に定義するのが、ビジョンの役割。

広辞苑の意味
ビジョン【Vision】
①視覚
②未来像。将来展望。見通し。
③幻影
(引用:広辞苑第六版「岩波書店」)

  

コウビルド英英辞典の意味

1.Your vision of a future situation or society is what you imagine or hope it would be like, if things were very different from the way they are now.
2.If you have a vision of someone in a particular situation, you imagine them in that situation, for example because you are worried that it might happen, or hope that it will happen.
3.A vision is the experience of seeing something that other people cannot see, for example in a religious experience or as a result of madness or taking drugs.
4.Your vision is your ability to see clearly with your eyes.
5.Your vision is everything that you can see from a particular place or position.

ビジョンの役割

人は望ましい未来の映像にモチベーションがかかる。そのビジョンにワクワクしたり、「自分にとって意味がある!」って強く思えたりする。組織に所属するメンバーが、自分の組織のビジョンの状態に「意味づけできる」こと。これがビジョンの役割だ。

視覚は強烈

私たちは、世の中の情報をキャッチする上で、五感を用いる。視覚、聴覚、身体感覚、嗅覚、味覚。ある研究によると、「視覚」はその情報収集の8割を占めるという。まあこれはあくまでも理論値としての話ではあるが…。
このデータを額面通りに捉えれば、情報を集めるとき、私たちはその多くを「視覚」に依存しているということになる。あるいは、インプットできる情報量のキャパシティが多いのは視覚であることは間違いない。そして、視覚が脳に与える影響は絶大だ。この視覚のパワーを活かすのが、ビジョンの役割とも言える。

組織のビジョンの定義

組織のビジョンの映像というのは、実はそれぞれの頭の中にある映像なので、それをありのまま表現することは難しい。しかしそれをできるだけ近い形で表現する。

ビジョンの表現の仕方はいろいろな手段がある。ここでご紹介するのは3つ。

ビジョンステートメント(言葉)

映像の状態を、文章で表す。映像における重要なキーワード、キーフレーズを繋ぎ、ひとつの文章とする。

組織のビジョンを「決定」する人が集まり(ひとりの場合もあるかもしれないが)、それをわかちあい、そこにいる全員にとって共通認識となり、また、全員にとって「それでOK」といえる表現となるまで、対話を重ねる。

写真

それぞれのイメージに近い写真を持ち寄る。インターネット上に画像は溢れているし、雑誌の切り抜きでも構わない。また、自分が撮った写真でももちろんいい。そのイメージをコラージュして、一枚の大きな写真集とする。これが組織のビジョンとなる。

イメージにマッチする絵を描く。絵の得手不得手はこの際どちらでもいい。これぞまさに、私たちのビジョンといえる「絵」を、ビジョンの決定者で製作する。

ビジョンと目標は違う

今日の最後に、ビジョンと目標の違いについてお伝えしておく。世の中では同じ意味としても使われることがあるが、ここでは明確に区別をしておく。

ビジョン

抽象的、映像、モチベーションが掛かる。ワクワクする。
目標を達成し続けることで、実現していくもの。

目標

具体的、数字、プレッシャーが掛かる。ドキドキする。ウッとくる。
ビジョンにつながる具体的なマイルストーン。ビジョンの細分化。

ビジョンと目標のつながり

そして、ビジョンと目標は常に繋がっていることが重要だ。
ビジョンばかりが語られて、それをなんとなく追いかけているうちは、ビジョンは実現しない。ビジョンがあって目標がない状態では、絵に描いた餅状態になりやすい。
また、目標だけあってビジョンがない状態だと、人は疲弊していく。目標はただのノルマになっていく。
スポーツの世界も同じ、日常的な厳しい練習に耐えられるのは、明確な目標があるからであり、さらにその目標の達成が、なんらかの歓喜に繋がっていると描けるからだ。

今日のまとめ

ビジョンは人を力づける。組織に所属するメンバーにとって、ビジョンは意味のあるものでなければならない。共有するビジョンがあるから一体感も生まれる。

そして、時として組織のトップは、そのビジョンを魅力的に語らなければならない。見せなければならない。メンバーに良い刺激を与えチームをひとつにしていく。ビジョンにはそのような力がある。