コーチングについてはすべてそうだが、こうやれば絶対にうまくいくという型がない。というより、型はいっぱいある。プロコーチを目指しているならともかく、この「型」をすべて覚えて使いこなすのは至難の技であるし、必要ないとも思う。なので、今日はキャリアコーチングをやるための一つの「型」をお伝えする。

キャリアコーチングの型「WILL」「CAN」「MUST」

Will,Can, Mustは多くのビジネスマンにとって馴染みのある言葉なのではないだろうか。キャリアコーチングはこの3つの要素を明らかにしていくサポートをすることと言える。
また、明らかにしたあとに、実際に実現していくためのサポートでもある。

キャリアコーチングのWILL

WILLとは、「願望」だ。夢、ビジョン、自発的な目標、自分のなりたい将来像、やりたいこと、手に入れたいもの、望む状態など。

本人にとって、未来をこのようにしたいという状態を描く。

自分自身のこと。
誰かとの関係。
社会や世の中の状態。
したい行動。

何らかの成果。
成し遂げたいこと。

キャリアコーチングのCAN

CANとはそのまま「できること」だ。自分自身ができることを明らかにしていく、あるいは認めていくことを通じて、WILLを手にするプロセスに活かす。

CANとあるが、時として「できないこと」にも目を向ける。自分の不足がある場合に、それを「WILL」の実現のためにどのように補完していくのかは考えなければならない。

補完のやり方は主に2つある。1つは自分の能力アップ。もう一つは、人に助けてもらうこと。

というわけで、明らかにする事柄は以下のような事柄。

・持っている知識

・積んできた経験、成功体験、失敗体験

・技術、スキル、資格

・強みや長所、得意なこと

・弱みや短所、苦手なこと

・使える道具やシステム

・人とのつながり、仲間、協力者

キャリアコーチングのMUST

MUSTは実はいろいろな捉え方がある。そのまま訳せば「やらなければならないこと」。キャリアコーチングにおいては、3つのMUSTを考える必要があるが、その場面場面や相手に応じて、扱うべき事柄は変化してくる。

WILLの実現のためのプラン

ひとつめは、WILLの実現のためのプランだ。「やりたいこと」を形にしていくためには、そのプロセスにおいてやらなければならないことがたくさん生まれる。

それを明確にしていくためのアプローチが必要だ。「WILL」の実現のためには、何をいつまでにどのくらいやらなければならないのか。行動プランを明確にしていく。

ただし、キャリアコーチングにおけるWILLというのは、一般的に少し大きめのことを扱っていく。つまり時間がかかる。

細々といろいろなプランを立てていくというよりも、その大きなビジョンや目標を達成していくために必要不可欠な重要事項を明確にするというのが、やるべきことである。

所属組織における役割

会社や企業、何らかの組織に属している人は、その組織において担っている役割があり、ミッションがある。当面の間、自分が責任を果たしていくべきことを明らかにする必要があるかもしれない。また、そのやらなければならないことは、自分自身の「WILL」にどのように繋がっているのかをイメージしてもらうと、現組織においてやらなければならないことにモチベーションが生まれる。「今の仕事は自分のやりたいことにこんなふうに繋がっているんだ!」と気づくことができるからだ。

人生の使命

一番大きなMUSTは「人生における使命」である。「私はこういうミッションを達成するために、この世に生を受けた」ということを、わりと若い頃から気づいている人がいる。これは当然ながら、あるのが正しいものでもないし、あるのが変なわけでもない。「神からのお告げ」的に、突然授かる人もいるだろうし、自分自身の強烈な意味付けとして、それを人生の使命として生きる人もいるだろう。

というわけで、この3つのMUSTを意識しつつ、相手の状況に応じて扱うべきことを扱っていく必要がある。

今日のまとめ

今日はキャリアコーチングの一つの流れを示した。いわば、キャリアコーチングのフレームワークだ。この3つを明らかにしていくと、キャリアの道が拓ける。

しかし、この3つをしっかりと語ってもらうことが難しい。そのためには、コーチングのひとつひとつのスキルや考え方が必要となってくる。

そのへんの具体的なやり方については、過去のブログで参考にしてもらえる記事もあるが、また次回以降の記事で、キャリアコーチングにおける注意点なんかも踏まえながらお伝えしていこうと思う。

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